1997 Fiscal Year Annual Research Report
西欧諸科学の母胎としてのスコラ学の成立過程をめぐる研究
Project/Area Number |
09610001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
花井 一典 北海道大学, 文学部, 助教授 (80228501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 務 北海道大学, 文学部, 助手 (10241283)
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Keywords | ベガライズム / ギリシア哲学 / スコラ学 / アリストテレス / トマス・アクイナス |
Research Abstract |
ヘブライズムによるギリシア哲学の受容・深化の様相を探り出す作業を通して西欧諸科学の母胎としてのスコラ学の成立過程を明らかにするという、所期の目的を達成するための予備的作業として、初年度は主として、テキストデータベースの調査ならびに最近の研究状況の調査といった基礎的研究を行なった。具体的には、次の二つの作業を行なった。 (1)近代諸科学における重要概念について、それがスコラ学の議論の中でどのような現れ方をしているかを、『キリスト教著作家全集』、『アリストテレス全集』、『トマス・アクィナス全集』等のテキストのCD-ROM版を利用して整理し、インデックスを作成した。またこれと平行して、花井が海外の関係文献を調査して近年の動向を見定めた。 (2)以上の作業によって集められたデータをもとに、各分担者がそれぞれの専門分野から調査を行なった。中澤はギリシア哲学研究の立場から、ギリシア哲学の基本概念がスコラ学の形成過程でどのような変容を受けたのかについて調査を行なった。具体的には、これらの概念がギリシア哲学の基本的枠組の中でどのような役割を果たしているのかをまとめ、さらに、その基本概念が中世の哲学者達によってどのように理解され、受け入れられていったかを主要な哲学者について調査し、まとめた。花井は、スコラ学における基本概念の役割に関して総合的な考察を行うとともに、スコラ学の近世諸科学に対する影響に関して,詳細な調査・分析を行なった。
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Research Products
(2 results)