1997 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ19世紀末絵画と明治期の洋画-原田直次郎と青木繁の場合-
Project/Area Number |
09610058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
高阪 一治 鳥取大学, 教育学部, 教授 (50153466)
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Keywords | 明治期の絵画 / 明治期の洋画 / ドイツ絵画 / 世紀末絵画 / 青木 繁 / 原田直次郎 / ハンス・フォン・マレー / ベックリーン |
Research Abstract |
3カ年にわたる研究の初年度(9年度)実施計画の基本は資料の収集とその分析である。 1.資料収集の対象は、(1)ドイツ19世紀末絵画関連と、(2)明治期の絵画関連の、2方面にわたる。 (1)では、とりわけ今年度実施したドイツ・イタリアへの現地視察(美術作品等)により、マレー、ベックリーン、フォイエルバッハに関する資料の充実を図ったほか、近年のドイツ美術館事情による当該の作品移動等(特にベルリンにて)を確認することが出来た。青木繁が『假象の創造』の中で言及しているゼツェッション(分離派)関連の資料についても、充実を図ることが出来た。 (2)では、基本的な図書の充実に努めるとともに、数度にわたる国内資料収集旅行によって作品観察とその資料収集を行った。 2.資料の分析にあたっては、上記(1)では、とりわけ青木繁との関連で重要と思われるマレーの「ナポリのフレスコ画」についてのC・グレーベンの著作を中心にして、継続中であり、(2)では、周知の原田直次郎と森鴎外との関係において、鴎外の一文にベックリーンへの言及があり、これに注目してその分析を継続中である。 3.ドイツ19世紀末絵画と明治期の洋画との関連を跡づけるにあたって、この方面でどのような情報がわが国に将来していたか(青木繁没年まで)ということについても、予備的調査を、国立国会図書館等で行った。
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