Research Abstract |
本研究の目的は,第一に,ジェスチャを体系的に用いた動作的インタフェースと,複数音を体系的に用いた聴覚的インタフェースが,機器操作の学習過程に及ぼす影響を,実験的に検討する.第二に,ユーザモデルの形成過程の個人差を検討する.第三に,心理学実験に基づいて,個人差に対応し、機器操作習得を促進するような人工実感を実現したインタフェース設計のための指針をたてることである. 実験1と2では,大学生の被験者を用いて,調整課題,ナビゲーション課題をそれぞれ用いて,体系的な複数音をフィードバックに利用した条件と,単音フィードバック条件,フィードバック無し条件を比較した.その結果,複数音フィードバック条件は,とくに,ナビゲーション課題において,他の条件よりも操作時間,ユーザモデルの形成,操作性評価において優れていた. 実験3と実験4では,大学生の被験者を用いて,ブックメタファを用いた簡易データベース上で操作を,トラックボールを用いたジェスチャ入力,マウスを用いたポインティング入力,ショートカットキイ入力の比較をおこなった.その結果,ジェスチャ入力は他の入力条件に比べて,操作時間,ユーザモデルの形成,操作性評定とも優れていた. 最後に,ジェスチャ入力と複数音フィードバックが,熟達度の低い被験者に与える効果を検討し,熟達度の個人差に対応し,機器操作学習を促進するインタフェース設計のための指針を検討した.
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