1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610191
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka Prefectual College of Nursing |
Principal Investigator |
大谷 昭 大阪府立看護大学, 看護学部, 助教授 (30152169)
|
Keywords | 在宅要介護者 / 介護者 / ストレス / ソーシャルワーク |
Research Abstract |
要介護患者にかかわる医療ソーシャルワーカーの研究会を3回実施。先行研究、実態についての意見交換より、実態調査を計画実施した。第1次調査として介護者のストレスの背景を明らかにするために、障害を有する要介護患者と被要介護患者に関する調査として、平成9年11月-12月に兵庫医科大学医療社会福祉部において援助を行ったリハビリテーション部退院患者について質問紙による郵送調査を行った。有効回答数101名に関して得られたデータについて、要介護者44名、非要介護者57名を比較した。調査結果より、以下のことが明らかになった。 1,介護者の基本的属性に関しては従来行われた調査の結果と類似している。 2,要介護者のストレッサーとしては家族の負担に関するものが有意に高いこと、また社会生活に関連する趣味、仕事に関しての制限に苦痛を感じている割合が高い。但し、身体に関することには差は見られなかった。 3,障害をどのような受け取っているかについては「後悔している」「無力を感じる」という障害を否定的評価する項目についての割合が有意に高く、介護を受けることによる自己評価の低下を見ることができた。 4,介護者のストレスの軽減につながると見られる保健福祉サービスの利用が十分に行われていない。退院後の生活に関する支援をソーシャルワーカーに求めることもそれ程積極的ではない。 このようことから、介護者のストレスの背景として、在宅要介護者は家族に負担感を感じつつ、自己の障害、生活状況について否定的に認知し、他者に支援を求めることにも消極的である。これらのことが介護者のストレスにに大きく影響していることが推測される。 なお1次調査の結果を踏まえ、第2次調査として介護者への調査を平成10年5月に実施する予定である。
|