1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610191
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Research Institution | Osaka Prefectual College of Nursing |
Principal Investigator |
大谷 昭 大阪府立看護大学, 看護学部, 助教授 (30152169)
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Keywords | 介護者 / 介護負担 / 対処方法 |
Research Abstract |
本年度は第2次調査として、介護者のストレスとその対処を明らかにするために、介護者に対してストレスの種類と程度、ソーシャルサポート、対処方法、利用しているサービス、ソーシャルワーク援助の受け取り方について調査した。星ヶ丘厚生年金病院医療相談室(ソーシャルワーク部門)において、1.要介護の状態であり、2.退院援助を行った患者のなかで平成7年4月より平成9年7月までに退院した203名を対象とし、平成11年3月1日-3月15日を調査期間とし、調査用紙の郵送法により行った。調査結果は回収数131名から、死亡例、施設入所例、回答内容が不十分なものを省いた90名について分析を行い次のような知見を得た。 1. 介護者が感じている負担度は直接的な身体的、精神的負担というよりは「自由な時間が思うようにとれないこと」というような生活面での制約の方が高かった。 2. ソーシャルサポートとしては介護について、情緒的サポートより道具的サポートが不足していた。 3. 介護負担への対処方法としては、具体的な問題解決を志向する方法と、認知的に解決を志向する方法に分けることができた。 4. 介護負担感を程度が高いグループと低いグループで有意差があったのは対処方法として、「介護そのものの情報にあまりこだわらない」「専門家への相談についての態度が明確であること」「楽観的に考えることができる」ということであった。 このような結果から介護ストレスへの介入は、介護への認知的側面へのアプローチと、家族介護を具体的のサポートする在宅サービスの利用が両面から行う必要があることが示唆された。
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