1998 Fiscal Year Annual Research Report
高度情報化社会における青少年の社会化とコミュニケーション
Project/Area Number |
09610198
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Research Institution | TOKYO INTERNATIONAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小川 文弥 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (70177137)
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Keywords | 高度情報化社会 / 社会化 / 青少年のコミュニケーション構造 / 発達とコミュニケーション / コミュニケーションにおける性差 |
Research Abstract |
高度情報化社会における若者の社会化とコミュニケーシションの問題を把握するために,高校生と大学生を対象にして,大量観察調査と,自由記述調査を行った。 大量観察調査からは,高校生から大学生にかけて,社会との関わりが増大したり,社会への関心がたかまるなどの社会化の進展が,生活やコミュニケーションのさまざまな領域で指摘できた。このことは,生活構造の違いによってもたらされていると考えられる。 また,この時期においては,性別によるコミュニケーションの特徴の違いが明確であり,女子のほうが意識,行為の両面において活発なこと,その背景には対人レベルのコミュニケーションが関連していること,また,発達に伴う変化は女子が連続的なのに対して男子は非連統的な特徴がみられた。 人間形成にとって影響のあったものを挙げてもらった自由記述調査の結果によると,高校生で社会化(人格形成)に影響を与えている主な要因は,人間関係,学校関連,メディアの3つの領域になる。人間関係では「友人」が最も多く,次いで「家族」である。ここでは,女子のほうが,男子よりも人間関係を挙げる人が多く,人間関係志向の特徴がみられる。学校関連では,「課外活動」のウエートが大きく,「学校」を上回っている。メディアは5位(男16%,女21%)であり,単独に見ると決して大きくはないが,話題提供や流行などの機能を考えると,その影響力は深層面にまで及んでいるといえよう。
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