1997 Fiscal Year Annual Research Report
小笠原父島における異言語および異文化接触・移入による同化過程と社会的背景
Project/Area Number |
09610315
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
津田 葵 大阪大学, 言語文化研究科, 教授 (30069132)
|
Keywords | 多言語社会 / 言語接触 / 文化変容 / 多文化主義 / 言語政策 / 多言語併用 / コードスウィンチング |
Research Abstract |
今年度に行なった調査研究成果をもとに現時点で明らかになったことを要約すると以下のようになる。 1.異なったエスニシティとの出会い:イギリス、アメリカ、ドイツ、ポルトガル、カナカ、スペイン、日本、フランス、およびポナペ、サイパン、ロタといった南洋諸島。 2.言語接触:英語、ドイツ語、カナカ語、ポルトガル語、イタリア語、スペイン語、その他太平洋諸島の諸語。 3.民謡の伝来および口承伝話:(1)伊豆諸島から伝来したもの(2)太平洋諸島から伝来したもの(3)小笠原諸島独特のもの 4.小笠原における伝統的諸行事:南洋踊り、カメ祭り、相撲大会、小笠原神社祭り、ハロ-ウィン大会。 5.小笠原の食文化および言語文化:(1)余暇の過ごし方(2)島ずし(3)カメ料理(4)挨拶行動(5)異なった世代による日本語・英語によるコード・スイッチングのあらわれ方とその特徴(6)非言語行動を含むコミュニケーションのスタイルと諸特徴 6.年中行事の祝い方:(1)死者に対する信仰(2)祖先崇拝(キリスト教、仏教、神道他)(3)新年の祝い方(4)クリスマスの祝い方 ひき続き、上記の1〜6の側面において文献調査、聞き取り調査、参与観察、アンケート調査を行ない、通時的、および共時的両観点からのアプローチを駆使しながら、研究課題解明にむけての基礎的データ収集とより精密な分析に主力を注ぐという地道な手法を最優先してゆきたい。
|
Research Products
(1 results)