1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
薮田 貫 関西大学, 文学部, 教授 (80027987)
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Keywords | 大坂 / 町奉行 / 代官 / 支配機構 / 武鑑 / 与力 / 日記 |
Research Abstract |
初年度は当初、計画通り、大坂町奉行日記と「大坂御役録」の調査、収集を行なった。大坂町奉行の日記では、文政12年(1829年)着任の新見伊賀守正路の日記の収集を東北大学図書館狩野文庫で行ない、撮影の後、現在、解読作業を続けている。また大坂代官竹垣直道日記(天保〜嘉永期)の存在を東京大学史料編纂所で知り、これも関連する史料として収集のうえ、解読を進めている。しかし日記の解読には時間がかかり、今年度で完了する見込みはたっていない。なお大坂代官竹垣直道は、天保14年の上知令発令時の現地代官であるが、それに関連して史料集『天保「上知令」騒動記』を出版した。同史料集は上知対象となった村落の史料を主に、これまでの調査をもとに編んだものだが、本研究のひつようせいと重要性を筆者に知らしめたものである。 つぎに東北大学および東京大学で、大坂で発行された武鑑ともいうべき「大坂御役録」の所在確認作業を行なった。その結果、これまで大坂で行なってきた所在確認調査にあらたにデーターを加えることができ、明和年間(1760年代)から慶応3年(1867)までの110年の間の所在を確認した。次年度も、近世大阪資料のコレクションで知られる九州大学法学部や慶応大学図書館にて、この作業を続行するつもりである。なお「大坂御役録」の所蔵館として知られる大阪市立中央図書館の要請で、「大坂武鑑と河内往来」という演題で報告をした。これは後日、出版の予定で、現在、初校を済ませたが、ページ数は確定していないために、次項「研究発表」には載せていない。
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Research Products
(1 results)