1998 Fiscal Year Annual Research Report
文学と絵画の関係についての中国・韓国・日本の比較研究
Project/Area Number |
09610446
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Research Institution | MEIJI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
林 雅彦 明治大学, 法学部, 教授 (30139448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池澤 一郎 明治大学, 法学部, 講師 (70257228)
渡 浩一 明治大学, 政治経済学部, 助教授 (00184002)
比護 隆界 明治大学, 文学部, 教授 (50062013)
徳田 武 明治大学, 法学部, 教授 (20139447)
日向 一雅 明治大学, 文学部, 教授 (90079426)
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Keywords | 仏教説話 / 儒教説話 / 文人画 / 大足仏教遺跡 / 五趣生死輪 / 賽の河原 / 二河白道 / 楊州八怪 |
Research Abstract |
今年度の研究成果も大きく2つに分けられる。ひとつは図像に窺われる仏教説話の研究であり、もうひとつは儒教精神あるいは土太夫精神の精華としての図像の研究である。前者仏教説話に研究の重心を据えたのは研究代表者林と分担者日向一雅、比護隆界、渡浩一とである。本年度は特に中国へ仏教遺跡の調査のために渡航し、資料収集現地研究者とのレビューなどにおいて多大な成果を得た。具体的には四川省重慶市大足県に散在する宝頂山・北山・南山・石門山・石篆山の石造仏を調査し、仏教経典や説話が遺憾に形象化されているかについて数多の新知見を得たわけである。「五趣生死論」図については宝頂山でその形態について新たなパターンの存在が想定しえたし、〈騫の河原〉信仰に類似の信仰形態が中国には存在しないことが現地研究者との情報交換で再確認されたのである。この2点は林、渡によって論文・講演集の形にまとめられた。日何は浄土教文化の日韓比較を行う為に、韓国や中国の研究者と情報交換をし、「二河白道」説の展開を跡付けるとともに、韓国の死霊界の巫俗との関連を調査した。日何はまた天人五衰の説話について、特に源氏物語への投影という側面から検討を加えた。後者の研究は儒教精神の図解化を関心事とするが、この研究に当ったのは分担者の徳田と池澤とである。徳田は二十四孝説話について、中日比較文学的手法で綿密な分析を行うとともに、この説話の御伽草子の挿絵の様態に着目して研究成果を挙げている。また土大夫精神の精華たる文人画(山水画)についっては池澤が研究を進めた。池澤は中国揚州において揚州博物館や揚州八怪記念館において清化の文人サークル揚州八怪について調査し、絵画と題画詩との関係についって、隠逸志向の具像化という観点から新知見を得て、成果を論文としている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 林 雅彦: "アジアに流伝する「生死輪」と絵解き(下)-朝鮮半島・日本" 草のみどり(中央大学父母連絡会. 115号. 30-39 (1998)
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[Publications] 林 雅彦: "「生死輪(図)と絵解き-遥かなる旅路・インドから中国まで-" 仏教文学. 23号. 52-62 (1999)
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[Publications] 日向 一雅: "日韓浄土教文化の比較-「二河白道」の展開と死霊祭の巫俗-" 神話・宗教・巫俗-東アジア比較文化の試み-. (風饗社). 20-40 (1999)
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[Publications] 徳田 武: "『御伽草子』「二十四孝」の漢詩-その原拠版本について-" 国文学解釈と教材の研究. 44・2. 14-22 (1999)
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[Publications] 渡 浩一: "幼き亡者たちの世界-〈〓の河原〉の図像をめぐって" 『生と死』の図像学(明治大学公開文化講座). (風間書房). 191-244 (1999)
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[Publications] 池澤 一郎: "浦上玉堂と題画詩" 出光美術館館報. 104号. 4-19 (1998)
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[Publications] 日向 一雅: "源氏物語の準拠と話型" 至文堂, 490 (1999)