1998 Fiscal Year Annual Research Report
中国女性文学に関する研究-先秦漢魏より唐代に至る中国文学に於ける女性文学の占める位置-
Project/Area Number |
09610458
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
西村 富美子 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (00073445)
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Keywords | 『全唐詩』と女性詩人 / 贈答詩 / 贈婦詩 / 『詩品』と女性詩人 / 『唐詩紀事』と女性詩人 / 『唐才子伝』と女性詩人 / 『古詩類苑』『唐詩類類苑』と女性詩人 / 明・清編輯の女性詩人集 |
Research Abstract |
1, 昨年度に引き続いて,今までに出版された中国女性文学に関する研究書・概説書等の調査収集とともに、整理を行った。(1)文学史的な内容のもの (2)先秦から唐代までの女性作者に関する詩集及び文集(総集・別集また注釈・評論等の書を含む)の2種類に分けたが、(1)については、昨年度未収集の資料を補足した。(2)については、昨年度対象とした総合集以後の歴代の総詩文集を補足した。唐代の『唐人選唐詩』の類、宋代の『文苑英華』『楽府詩集』,明代の『古詩類苑』『唐詩類苑』、また『全漢三国晋南北朝詩』(丁福保輯),『先秦漢魏晋南北朝詩(碌欽立輯)』等,可能な限り女性作者の作品を収めるものを調査した。特定の作者についての詩文集は限られており昨年度の調査の範囲に留まった。それらの資料のリストを昨年度に引き続いて作成中である。この調査によって女性文学の過去の研究の実態及び状況を知ることができた。調査結果は近日中に公表の予定である。 2, 昨年度の『玉台新詠集』『文選』の比較調査に基づいて、先秦漢魏六朝時代の女性作者の作品について更に広範囲の調査をし、両書以外の女性作者と作品を収集した。また男女間における贈答詩について再検討を要する面があり、その結果を小論としてまとめた。 3, 唐代の女性詩人について、昨年度の調査に基づいて『全唐詩』所収の女性詩人の作品が、後代の詩文集にどう評価されているかの資料調査を行った。宋代の『文苑英華』『楽府詩集』、さらに明代の『唐詩類苑』『唐詩品彙』、また『唐詩紀事』(宋・計有功)『唐才子伝』(元・辛文房)等ついても調査を行い、整理中である。 4, 文学に関わった女性の数は総数としても限られているが、その実態については時代を超えての共通性と各時代によって異なる特異性を持つ両面が見られる。特にこの点について調査収集した資料を慎重に検討して結果を報告書にまとめたい。
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Research Products
(1 results)