1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610478
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 光規 大阪大学, 言語文化部, 教授 (60034584)
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Keywords | 中英語ロマンス / 中英語の表現 / 反復表現 / コーパス言語学 / コーパスのタグ |
Research Abstract |
この研究は、中英語韻文ロマンス作品をとり上げ、それらに特徴的な表現を、語彙、統語論、ディスコース、作品群の起源的素材の4つのレベルについて調査し、可能な場合にはコーパス言語学的方法を援用しながら、中世英国韻文ロマンスの表現の特質を調査しようとするものである。本年度行った主な作業は次のとおりである。 (1)中世英国韻文ロマンスSir Eglamour of Altois について、"transposition"(本来従属節の中に置かれるべき副詞句などが、節の外側、特に詩行の行頭に飛び出して、独特な表現効果をもつもの)や反復表現、類型的表現などの使用状況を調査した。 (2)本年度はまた、コーパス言語学的方法を用いて談話レベルの(具体的には、人称代名詞のアナフォラに関する)分析を試みた。タグ付きコーパスをいかに効率よく作成するか、またそのようなコーパスがどのように利用できるかを探ることも本研究の目的であるので、すでに作成済みのME韻文ロマンスのコーパスを使用して、各種の自動アノテーション・プログラムを中英語韻文について試す実験を継続した。このような問題の組織的な調査のためには、ファイル上でマークアップする必要があり、コーパスの自動アノテーション・プログラムの利用を種々試みたが、中英語韻文で実用に耐えるものは今年度も得られず、タグ付け作業のほとんどを結局手作業に依らざるを得なかった。 (3)本年度はまた、連合王国グラスゴー大学においてProf.Graham Caie他を訪問し、これまでの成果を含めた本研究計画全体について行った主要な問題点の討論から有益な示唆を得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 今井 光規: "コーパス言語学"言語文化学概論. 165-174 (1997)
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[Publications] 今井 光規: "ハヴェロック-中英語ロマンスに見るイギリスとデンマーク"言文だより(大阪大学). 16. 10-11 (1999)
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[Publications] 今井 光規,渡辺 秀樹(編): "Reading the Ancrene Riwle"Reading the Ancrene Riwle. 1-83 (2000)