1997 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ語テキストデータベース解析辞書構築に向けての理論的・実際的検討
Project/Area Number |
09610522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu Keizai University |
Principal Investigator |
山田 善久 岐阜経済大学, 経営学部, 助教授 (50192406)
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Keywords | テキストデータベース / コーパス / 自然言語処理 |
Research Abstract |
本研究は、ドイツ語テキストデータベースから、通常の語のレベルを超えて、文ないしはテキストレベルの言語現象を検索可能とするようなシステムを、「テキストデータベース解析辞書」として構想し、これを実際のソフトウェアとして実現しようとするものである。研究完成年度までに目標としている処理は、形態素解析処理(変化形から基本形、また基本形から変化形を引き出す処理)、構文解析処理(分離動詞、助動詞構文、完了形、受動形などの枠構造の解析処理、動詞と助動詞、形容詞と副詞など文脈から品詞・用法を決定させる処理)、そして意味解析処理(同音異義語の処理)である。 以上を実現するための予備プロセスとして、本年度は主に、辞書記載項の設計に関わる理論的問題について考察した。すなわち、解析辞書構築の枠組みとして本研究ではHPSG(主辞駆動句構造文法)を採用するが、そのドイツ語への適用に関する諸問題を、主にKiss(ハイデルベルク)、Muller(ベルリン)の論究をもとに検討し、解析辞書の辞書記載項の構成について暫定的な見通しを得た。なお本研究のベースとして、具体的なドイツ語テキストデータベースが前提となるが、すでに公刊している「グリム・データベース」(郁文堂)がその中心的資料となる。今後順次これにいくつかの異版を追加入力することを計画しており、本年度はその一環として、グリム童話集1812年第1版を追加入力した。
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