1997 Fiscal Year Annual Research Report
現代「市民社会論」とフェミニズム-ポスト近代における法と政治のゆくえ-
Project/Area Number |
09620058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川崎 修 北海道大学, 法学部, 教授 (80143353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神長 百合子 専修大学, 法学部, 教授 (80194968)
中村 敏子 北海学園大学, 教養部, 助教授 (90207895)
岡 克彦 北海道大学, 法学部, 助手 (90281774)
町村 匡子 (井上 匡子) 北海道大学, 法学部, 講師 (10222291)
林田 清明 北海道大学, 法学部, 教授 (50145356)
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Keywords | フェミニズム / 現代市民社会論 / ジェンダー / 女性の社会的地位 / 新しい社会運動 / 現代正義論 / 女性の政治参加 |
Research Abstract |
フェミニズムを「現代市民祉会論」の一環としてとらえ直すことを通じて、女性をめぐる様々な問題を検討し、同時にポスト近代における新たな法や政治のあり方について研究を進めている。 <1、基礎研究>法学・政治学・政治思想史・法思想史・文学・正義論の中で女性がどの様に扱われてきたかを検討した。その結果、これまでの研究において女性をめぐる問題が死角となって来ていることが明らかになった。また、国際化と多文化の流れの中で、女性や他のマイノリティーが抱えている問題を検討することを通じて、近代国民国家が担ってきた公共性とは全く異なる新たな公共性の可能性が示された。さらに、女性や家族をめぐる諸問題を法や政治に関する理論の中に取り込むための、これまでとは異なる議論枠組みを作り出すことを目指したが、この点については、今年度のところは、必ずしも具体的な成果を結ぶには至っていない。 <2、応用的な研究>女性の政治参加・社会保障制度における女性の位置・家事審判における履行の確保・多文化主義・差別論・アジア研究の観点から、具体的な制度の検討・評価を行った。その結果、ジェンダーに基づく分析の重要性が明らかになった。さらに、そのようなジェンダー分析に基づき、現代に相応しい制度の設計に関しても、研究を進めている。 <3、研究の統合>今年度は、研究代表者・研究分担者は、インター・ネットを介してまた、札幌・東京を互いに訪間することにより、積極的に情報交換・研究交流を行った。その結果、思想史研究などの基礎研究と具体的な制度の検討などの応用的な研究との間でフィードバックが行われ、各自が持つ多様な観点が共有された。次年度はさらにそれらを有機的に統合することを目指す。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 神長 百合子: "ロジャー・コットレルとイギリス法社会学" 法律時報. 69.4. 110-111 (1997)
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[Publications] 神長百合子: "法律職のfeminization をめぐって" 法社会学. 49. 188-192 (1997)
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[Publications] 岡 克彦: "韓国における『同姓同本禁婚制』違憲判決をめぐって" 法律時報. 70・2. 56-62 (1998)
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[Publications] 林田 清明: "インターネット上のプライバシー問題" 法学セミナー. 516. 126-127 (1997)
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[Publications] 林田 清明: "法と経済学 新しい知的テリトリ-" 信山社, 328 (1997)