1998 Fiscal Year Annual Research Report
北東アフリカ諸国における経済自由化と民主化の比較考察
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09620075
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
富田 広士 慶應義塾大学, 法学部・政治学科, 教授 (00101882)
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Keywords | エジプト / 経済自由化 / 開発戦略 / 新古典派 / 民主化 / 単一政党制 / 複数政党制 / アラブ社会主義 |
Research Abstract |
平成10年度交付申請書提出時に当局より修正を求められた点は、平成9年度研究計画および遂行において、実質的には英国レツディング大学政治学科教授、ピーター・ウッドワード氏との共同研究としたことであった。そこで、本科研費プロジェクトでは同氏との研究レビューに基づきエジプトの経済自由化と民主化に限定して研究を進め、ウッドワード氏が専攻するアフリカの角諸国の諸問題については、並行して続行中の別の共同研究プロジェクトの中で取り上げることになった。本年度は「現代エジプトの経済自由かと民主化-1952年〜81年-」をテーマに、これまでに発表したものの加筆修正と新たな論文執筆を並行して行った。 1.経済自由化については、「開発戦略の転換と政府主導性」(11.研究発表参照)で、1964年に埃指導部が打ち出した開発政策の変更とIMFからのスタンド・バイ融資第二回トランシュの関連性に焦点を当て、経済自由化における外圧の役割とその内実の解明を試みた。 2.民主化については、ナーセル政権が採用した「単一政党制」がサーダート政権へ移行する過程でどのように変化したのかという視覚から考察している。「エジプト〔政治〕」(11.研交発表参照)では、サーダート期以降の内政外交の流れを概観した。 私の関心は経済自由化、民主化双方について、その内発的要因と対外的要因のバランスを考量する点にある。 また12月に実施した短期出張では、次の三か所で研究レビューを受けた。1.エジプト・カイロ、(1)アメリカン大学人文・社会科学部政治学科、Nigel Harrisから経済自由化の背景となった開発論の世界的潮流について、(2)新市民フォーラム、Said El-Naggarから1960年代埃経済自由かの限界について、2.英国レッディング大学政治学科、Peter woodwardから民主化、アフリカの角諸国との比較の二点について。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 富田広士: "エジプト〔政治〕" CD-ROM世界大百科事典(日立デジタル平凡社). (1998)
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[Publications] 富田広士・横手慎二編: "地域研究と現代の国家" 慶応義塾大学出版会, 437 (1998)