1999 Fiscal Year Annual Research Report
北東アフリカ諸国における経済自由化と民主化の比較考察
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09620075
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
富田 広士 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (00101882)
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Keywords | エジプト / 経済自由化 / 開発戦略 / 新古典派 / 民主化 / 単一政党制 / 複数政党制 / アラブ社会主義 |
Research Abstract |
本年度も昨年度と同様に、エジプト(以下「埃」と略記)の経済自由化と民主化に限定して研究を進めた。自由化全般に関する埃とアフリカの角(以下HofAと略記)諸国との比較については、HofA諸国の政治を専攻するPeter Woodward氏(Prof.,Dept.of Politics,Univ.of Readi.UK)との研究レビューを通して行った。 1.経済自由化については、「『アラブ社会主義』の再検討」(11.研究発表参照)で、1960年代埃の開発戦略の変容に関して、日本における研究状況を検討し、今後明らかにされなくてはならない問題点として、(1)開発論の世界的潮流変化とどのように関連づけられるべきか、(2)60年代前半以後ソ連・東欧において唱えられた経済改革構想-一部北欧を経由した-が埃にいかなるインパクトを与えたか、を指摘した。 2.民主化については、『新訂増補・アフリカを知る事典』(11.研究発表参照)で、サーダート期以降の内政外交の流れ、とりわけ80年代後半から90年代初頭にかけてIMF融資導入・経済改革着手をめぐり、ムバーラク政権が民主化(議会政治)とどのように連結させたか、を考察した。 3.12月に実施した短期出張では、次の3か所を初めとして研究レビューを受けた。(1)Nigel Harris氏(Prof.Emeritus,Development Planning Unit,Univ.College London)、(2)Peter Woodward氏(上記)、(3)Hassan Nafaa,Mustafa al-Sayyid両氏(Prof.,Dept.of Politics,Cairo Univ.,Egypt)。 4.本研究プロジェクトをスタートさせた当初企画したWoodward氏との英文モノグラフ共同執筆は今回は見送り、過去3年度間に遂行した既発表論文の加筆修正と新たな論文執筆を基にして、平成13年3月31日頃をメドに「現代埃の経済自由化と民主化-1952年〜81年-」をテーマとした最終研究成果を取り纏める。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 富田広士: "世界の食糧問題"慶応義塾大学通信教育部編 三色旗. 第619号. 1 (1999)
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[Publications] 富田広士: "「アラブ社会主義」の再検討"慶応義塾大学地域研究センター編 CASニューズレター. 第100号. (2000)
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[Publications] 伊谷純一郎・小田英郎他監修: "新訂増補・アフリカを知る事典"平凡社. 604 (1999)