1997 Fiscal Year Annual Research Report
在宅看介護労働従事者の生活時間構造と24時間対応の展開条件に関する調査研究
Project/Area Number |
09630068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
栗田 明良 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (10072654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 和明 日本福祉大学, 副学長
天明 佳臣 財団法人労働科学研究所, 客員所員
中野 いく子 国際福祉大学, 医療福祉部医療福祉学科, 教授
奥山 正司 十文字学園女子大学, 社会情報学部, 教授 (50073036)
鈴木 春子 財団法人労働科学研究所, 研究員 (20221327)
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Keywords | 夜勤入りをめぐる昼間勤務からの連続勤務 / サービス供給機関の多様化 / 在宅介護支援センターの体制強化 / 訪問看護婦とホームヘルパーの有機的連係 / 労働の「質」に対応する処遇と安全対策 |
Research Abstract |
介護保険法案の衆参両院における審議が進むに従って高齢者看護と介護の現場に不信と混乱が拡がる一方、制度導入後に向けた準備作業が多岐にわたって進む中、当初想定した研究計画は大幅に修正せざるを得ない事態に追い込まれた。中でも困難を極めたのは実施計画2)の大都市・周辺地域における実態調査で、民間のシルバーサービスや住民参加型組織等、新規参入事業体が入り乱れて「創意・工夫」を凝らした福祉サービスの提供を目指した取り組みを強めるといった状況下、煩雑な生活時間調査等への協力を期待できそうな調査対象の把握を苦慮し、さしあたり比較的安定したサービス供給体制を確立している地方の福祉先進地域に焦点を絞ったケーススタディを試みることにした。 調査結果の分析については現在進行中であるが、現時点までに把握し得たホームヘルパー等の活動環境・条件の整備を進めていく上で留意すべき問題点としては、(1)24時間対応の成否を左右しかねない夜勤入りをめぐって多発する昼間勤務からの連続勤務を回避すべく関係者相互の連携、(2)高齢者の多様なニーズと多様化するサービス供給機関との間で適切なサービス提供を計画・調整することが期待される在宅介護支援センター等の体制強化、(3)在宅医療の展開を担う訪問介護婦等の主体性と24時間対応在宅介護の担うホームヘルパーの機能分担と相互連携、(4)24時間対応の本格化に伴う労働態様の変化を適正に評価した給与体系・水準の検討と移動に伴うトラブルを視野に入れた安全対策等を指摘することできる。次年度は、こうした諸点を念頭においた全国レベルの実態調査を中心に、都市部におけるケーススタディの実施に再度挑戦したい考えている。
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