1997 Fiscal Year Annual Research Report
「アジアの時代」に向けての我が国商品先物市場のあり方
Project/Area Number |
09630106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
森 幸弘 下関市立大学, 経済学部, 教授 (50157872)
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Keywords | 商品先物市場 / 商品取引 / リスクヘッジ / 価格変動 / 価格形成 / 国際商品 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「アジアの時代」に向けて、我か国商品先物市場が真の意味での国際的市場、中心的市場となるにはどのような課題に取り組むべきかを探っていくことにある。 初年度は、急速に進められつつあるアジア各国・地域における市場開設の動き、我が国市場との協調、提携関係の構築といった側面を、各取引所での聞き取り調査並びに関連文献をもとに集約化した。 もっとも、97年夏以降のいわゆる「通貨危機」の影響により、アジア各国・地域とも、これまでの順調な流れに「水」をさされることになった。いわば「震源地」となったタイ、飛び火したインドネシアについては、特に大阪商品取引所(神戸ゴム取引所)、関門商品取引所が商品先物市場の開設に向けて支援・協力を幅広く進めてきたが、予定を大幅に遅らせざるを得ない状況となっている。同地域での市場の開設・発展は、将来の「ラバー・エイシャン・ハイウェー」(大阪商品取引所居内律治理事)の構築、また、パーム油、コーヒー等についてのリスクヘッジ、さらには取引拡大にも繋がることか期待される。 タイ、インドネシアのみならず、現在上場商品の拡大に取り組んでいる中国、マレーシア、韓国、台湾等において、当業者の先物市場を通してのリスクへッジニーズはますます高まっており、市場の充実はまさに焦眉の急である。 このようなアジア各国・地域の今日的状況めもとに、我が国市場は、これまで以上に主導的な役割を担っていく必要があろう。次年度においては、そのためにどのような課題の克服が必要であるかを見据え、具体的な方途を模索してみたい。
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