1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
師岡 正美 福岡工業大学, 工学部, 教授 (40142608)
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Keywords | 半導体中不純物拡散 / リング機構拡散 / シリコン中金原子 |
Research Abstract |
研究の初年度にあたり、研究課題を実行する上で最も重要な、低温置換金濃度及びその拡散プロフィルを実験的に求める準備を行った。低温置換金は過飽和置換金の回復時の特殊な熱処理状態で現われるために、拡散によって濃度が大きく変化し、拡散係数を議論するには金濃度測定感度を上げる必要がある。金拡散によるシリコン抵抗率の変化から金濃度を精度良く測定するために、高精度電圧計と高精度試料厚測定用デジタルマイクロメータを購入し、高精度抵抗率測定装置を構成した。その結果従来の測定に比べて測定精度を1桁向上できた。金濃度プロフィルは筆者が考案したショットキー電極移動法によるICTS測定から求めた。ICTS測定の感度を上げるために、それまでの電極直接接触法に変えて、電極蒸着法を考案し、金濃度分布測定感度を10^<12>cm^<-3>程度まで下げることができた。このような測定法については、1つの国際会議と2つの国内学会で発表し、まとめたものを論文として投稿準備中である。 この方法を用いて、1150℃金導入後の600℃および700℃での回復の予備実験を行い、金原子のリング機構拡散における分布に対する予備的知見を得た。その結果、過飽和置換金は急激に回復すること、分布は試料表面近辺を除いてフラットであること、回復後の固溶度は導入時より大きいことなどが明らかとなった。予備実験の結果は、別の国際会議と国内学会で発表した。 上記実験と並行し、金分布から拡散係数を得るためのプログラムや分布プロフィルの解析を行うプログラムを作成した。さらに、リング拡散機構を詳しく調べるためには、電気的不活性な格子間金原子も含めた全体の金濃度分布と、ICTS測定で得られる電気的活性置換金分布と併せて知る必要がある。そのためにSIMS測定の準備を行った。
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Research Products
(1 results)