1997 Fiscal Year Annual Research Report
結晶性の異なる炭素系微粒子の近赤外から遠赤外の光学的性質の測定
Project/Area Number |
09640493
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小池 千代枝 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (20097835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深田 守 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (00097841)
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Keywords | 赤外の吸収 / カーボン系微粒子 / 結晶性 / スペクトル指数 / ヘリウム温度 |
Research Abstract |
結晶性の異なる多種類の炭素系微粒子の基本的性質と広い波長領域での光学的性質との相関性を明らかにすることが本研究の目的である。この一年間は、結晶性の異なる種々の炭素系の試料を用意した。また、それらの試料を中間、遠赤外で測定できるように、ペレット、シートを作成し、一部は測定した。この結果より、結晶性と遠赤外の吸収との強い相関、すなわち、遠赤外のスペクトル指数は結晶性が悪いカーボン0.6から結晶性の一番良いグラファイトの3.0へと結晶性が良くなるにつれて増加することをさらにはっきりと確認できた。 さらに、これらの相関性が温度により影響されるかについて、試料をヘリウム温度に冷やして遠赤外領域での吸収を測定した。この測定結果によりカーボン、グラファイトの吸収は結晶性により温度依存性があることが明らかになった。すなわち、カーボンの遠赤外での吸収は、低温にすると結晶性させらに良くなること、グラファイトの遠赤外の吸収はそれほど変化しないことが明らかになった。この温度依存性については、これからさらに多種類の試料についての再測定により定量的に明らかにする予定である。 装置については、現在の分光計に波数拡張装置をとりつけ、遠赤外領域まで測定できるよう整備した。さらに分光計を設置する乾燥室も大学の援助により整備した。これに、次年度分交付予定の除湿器をとりつければ、手軽に遠赤外領域の試料が測定でき、成果が挙げられる予定である。
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