1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640675
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Research Institution | CHUO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山崎 博史 中央大学, 理工学部, 教授 (00087511)
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Keywords | ジヒドロビス(ピラゾリル)ボレート錯体 / ヒドロトリス(ピラゾリル)ボレート錯体 / agostic相互作用 / ルテニウム錯体 / コバルト錯体 / ニッケル錯体 / パラジウム錯体 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
(1) ピラゾリル基の3、5-位にメチル基やトリフルオロメチル基をもつジヒドロビス(ピラゾリル)ボレート配位子を用いて、(PPh_3)_2[H_2B(3,5-R_2PZ)_2RuHを合成した.これらの錯体とCOとの反応を行い反応速度がR=H>CF_3>CH_3の順に低下することを見いだし、B-H-Ru agostic相互作用の強さとの相関について錯体の赤外吸収やX線構造解析に基づき考察した。 (2) コバルトやニッケルのジヒドロビス(ピラゾリル)ボレート錯体[H_2B(3,5-R_2Pz)_2]_2M(M=Co,Ni)のうちR=H,CH_3では、コバルトが平面四配位構造をとり、ニッケルは四面体構造をとるが、R=CF_3の場合は強いB-H-M agostic相互作用をもつ八面体構造の錯体を与えることを先に明らかにした。本年度はピラゾリル基の3位にt-ブチル基をもつコバルト錯体を合成し、X線結晶構造解析に基づきagostic相互作用の原因は電子的効果ではなく立体効果に起因することを明らかにした。また、ニッケル錯体は良好な結晶が得られなかったが同様に強いB-H-Magostic相互作用をもつことをB-Hの赤外伸縮振動から推定した。 (3) ヒドロトリス(ピラゾリル)ボレートパラジウム錯体[HB(3,5-R_2Pz)_3]PdL(L=η^3-C_3H_4R^1,C_9H_6R^1;R^1=H,CH_3)を合成した。これらの錯体はいずれも溶液中でfluxionalな挙動を示すことをNMRにより明らかにした。
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