1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640737
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
沓掛 和弘 広島大学, 生物生産学部, 教授 (90143362)
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Keywords | 細菌鞭毛 / 転写制御 / シグナル伝達 / 蛋白質輸送 / 輸送ゲート / 輸送制御 |
Research Abstract |
転写制御装置としての細菌鞭毛は、鞭毛レギュロンに特異的なアンチ・シグマ因子FlgMの細胞外輸送制御を介して機能しており、フック構造の完成をモニターしてその情報を細胞内に伝達するフック長シグナル伝達系と、そのシグナルに応答してFlgM輸送のスイッチをOFFからONに切り替えるFlgM輸送ゲートの2つのシステムからなりたっている。さらにFlgM輸送ゲートは、FlhBとRflHの2つの独立に機能する負の制御因子(ロック因子)から構成されている。 1. 2重チェックポイント制御系の発見:FlhBはフック形成初期、RflHはフック形成後期にそれぞれロックが解除されることが判明し、FlhBとRflHとは異なるフック形成段階に応答することが明らかとなった。このことから、フック形成モニター系は2重チェックポイント制御系であると結論された。 2. RflHチェックポイント制御系の解析:フック非形成下でもRflHのロックが解除される突然変異体の単離法を開発し、実際に4株のRflHチェックポイント制御系突然変異体の単離に成功した。連鎖解析から、これらは3領域に位置づけられた。このうち同一領域に位置づけられた2株は、ロック解除が不完全で鞭毛構造への応答も明確でなかったが、他の2株は明確な鞭毛構造依存性を示し、RflHへのシグナル伝達系の構成因子がロックを構成的に解除するようになった突然変異体であると判断された。 3. FlhBチェックポイント制御系の解析:フック非形成下でもFlhBのロックが解除される突然変異体の単離法を開発し、FlhBチェックポイント制御系の突然変異体の単離を試みた。しかし、flhB遺伝子の突然変異体以外は単離されず、FlhBチェックポイント制御はFlhB単独で行っているものと推定された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nambu,T.: "Peptidoglycan-hydrolyzing activity of the Flgj protein,essential for flagellar rod formation in Salmonella typhimurium" Journal of Bacteriology. 181(5). 1555-1561 (1999)
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[Publications] Ikeda,T.: "Structure and expression of fliA operon of Salmonella typhimurium" Microbiology. 145(印刷中). (1999)
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[Publications] Kutsukake,K.: "Identification of regulatory genes involved in transcriptional control of the class2 flagellar operons in Salmonella typhimurium" Genes&Genetic Systems. 73(6). 418 (1998)
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[Publications] Nambu,T.: "Role of the FlgJ protein in the flagellar rod formation of Salmonella typhimurium" Genes&Genetic Systems. 73(6). 418 (1998)