1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640808
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
内藤 富夫 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (40069042)
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Keywords | 両生類 / オタマジャクシ / 消化管 / 外来神経 / 壁内神経系 |
Research Abstract |
両生類オタマジャクシの消化管運とその調節機構研究の一つとして、外来神経の分布と消化管壁内神経系の有無を解剖学的・組織化学的に調べた。 まず、発生段階34〜36(Gosner,1960)のウシガエルのオタマジャクシを用い、メチレンブルー生体染色を施して迷走神経、内臓神経、および坐尾骨神経叢の消化管への分布を検索した。迷走神経は食道壁内を下降し幼生胃に達していた。内臓神経は、交感神経幹を経由する三本の神経束から腹腔腸管膜動脈壁で一つの神経束に収斂した後、前腸管膜動脈およびその分枝にそって走行しやがて血管から離れて中腸壁に達するのが観察された。坐尾骨神経叢については、第10・第11脊髄神経から分かれた神経束が合流して一本の神経束となり直腸下部に達していた。他方、壁内の神経分布を調べる第一段階として予備的研究から存在が予想されたVIP繊維の染色を、アフリカツメガエルの発生段階53〜56のオタマジャクシ(Nieuwkoop and Faber,1956)を用いて詳細におこなった。これによると、前腸、中腸、後腸いずれにおいても縦走する繊維束とそれから側方に網目状に走る細い神経繊維が染め出された。 オタマジャクシの消化管の神経分布については、わずかにアフリカツメガエルの大腸において筋層間に散在する神経細胞の記載(Naitoh et al.,1990)、およびウシガエルのオタマジャクシの十二指腸壁内に幼生型神経細胞が存在するという報告(Torihashi,1990)があるにすぎない。外来神経系の分布についてはこれまで記載がなく、私どもの初期の試み(Brown,Wassersug and Naitoh,1990)でも迷走神経の分布は確認できなかった。しかし、今回の研究で外来神経はカエルと同様にオタマジャクシにも分布し、かつ壁内においても少なくともVIP神経繊維の消化管全長にわたる明瞭な分布が明らかとなった。これはオタマジャクシの消化管の神経支配がカエルと同様であることを推察させる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kashiwagi A.他6名: "Inhibitor and temperature effect on cataluse in the liver of adult diplcid and haploid Rana rugosa" Comp.Biochem Physiol.119B(1). 235-239 (1998)
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[Publications] Naitoh T.他4名: "Emesis and space motion sickness in amphikians" Adi.Space Res.(accepted).
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[Publications] Yamashita M.他4名: "Allometry in restibular responses of anurans" Adi.Space Res.(accepted).