1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640808
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
内藤 富夫 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (40069042)
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Keywords | 両生類 / オタマジャクシ / 消化管運動 |
Research Abstract |
個体発生および系統発生に従った下等脊椎動物の消化管運動とその神経性調節機構の発達度を比較生理学的観点から明らかにする階梯として、両生類オタマジャクシの消化管運動の態様と運動の神経性調節の可否を調べた。 腹壁の透明なヤマアカガエルのオタマジャクシにおいては、低倍率の倒立顕微鏡あるいはビデオカメラを用いて、腹壁をとおして小腸を直接観察することができる。さらに、腹部が観察容器の底に触れて小腸が横にずれると大腸上部が観察可能となる。小腸では緩やかでリズミカルな下行波が観察され、大腸上部の結腸では上行波と長軸方向の短縮運動が観察される。抗α-SMアクチン抗体を用いて、アフリカツメガエルのオタマジャクシの消化管平滑筋組織構造を調べたところ、消化管全長にわたって縦走筋と輪層筋の2層の筋層が染め出された。また、アフリカツメガエルのオタマジャクシの消化管で、昨年度調べたVIP神経繊維および新たにNO神経繊維の分布を調べたところ、いずれについても、消化管全長にわたって長軸にそって走行する神経束とそれから分岐する神経繊維が観察された。VIP神経分布は胃、大腸、小腸の順に貧弱になるがNO神経神経の分布は大腸で最も貧弱であった。ウシガエルの小腸を取り出し、長軸方向の運動をひずみ計をとおして記録しながらリンガー液に薄めたVIPを10X^<-6>Mで与えたところ、張力およびリズムの減少がみられた。また、アセチルコリンは運動冗進を、セロトニンは運動抑制を引き起こした。少なくとも、VIP神経繊維が消化管壁内に存在し、人為的に与えたVIPが運動抑制をもたらすこと、神経伝達物質として広く認められているセロトニンやアセチルコリンが運動変化をもたらすことは、運動の神経性調節機構が両生類のオタマジャクシの消化管ですでに備わっていることを示唆する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ymamashita M. 他4名: "Allometry in vestibular responses of anurans."Adr Space Res.. 23(12). 2083-2086 (1999)
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[Publications] Naitoh T. 他4名: "Emesis and space motion sichness in amphibiens."Adr Space Res.. 25(10). 2015-2018 (2000)
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[Publications] Yamashita M. 他2名: "Starthe response and tianing bies in Microhyla tadpole."Zocl.Sci.. 17(2)(in press). (2000)
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[Publications] 内藤富夫 他2名: "両生類の消化管運動の概観-微小動下における両生類を用いた脊椎動物消化管運動の研究を予測して"Space Utilization Res.. 16. 73-75 (2000)
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[Publications] 山下雅道 他3名: "両生類の幼生と宇宙生物学"Space Utilization Res.. 16. 76-79 (2000)