1998 Fiscal Year Annual Research Report
液相エピタキシー法によるBi系酸化物超伝導体単結晶厚膜の作製
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09650004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮下 哲 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00219776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐崎 元 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60261509)
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Keywords | 酸化物超伝導体 / 液相エピタキシー法 / 膜結晶 / 温度差法 / ビスマス / フラックス成長 / 単結晶 / 基板 |
Research Abstract |
● KCl-(Bi-Sr-Ca-Cu-O)系で、液相エピタキシャル成長法(LPE法)によりBi2212超伝導体薄膜の育成条件を調べ、最適育成条件がBi:Sr:Ca:Cu=2:2:1:2の仕込み組成の場合、育成温度が840-870℃であることを明らかにした。この条件でLPE法を適用すると、2212相が単相で再現性良く作製することができた。超伝導相はエピタキシャルに配列した島状層から連続膜へと成長した。島同士が合体する際に生じる段差のために、巨視的にはあまり平坦性に優れた膜を得るには至らなかったが、LaAlO_3(110)基板上に成長した2201相圧膜には、数μm^2に及ぶ平坦表面が存在することを確認でき、LPE法の持つ可能性を示すことができた。さらに斜方晶系に属するNdGaO_3の(001)基板上に、ほとんど双晶の無い圧膜を育成することができた。 ● 高温顕微鏡を用いてBi-Sr-Ca-Cu-O酸化物の溶解・凝固過程の観察を行った。この結果primary volumeに含まれる合計12個の酸化物組成とそれらの液相温度を決定し、自己フラックスを用いた場合のBi系酸化物超伝導体のPCF(primary crystallizaition field)の概要を明らかにすることができた。本研究で求めたprimary volumeは、従来報告されているものよりさらに過剰にBiを含む組成であった。TSFZ(travelling solvent floating zone)法でc軸方向に厚みをもった結晶を再現性良く育成するためには、種付け(seeding)などによる核生成の制御が必要であることが明らかになった。TSFZ法で種結晶の方位を育成した結晶に継続させることに成功し、PCFデータの信頼性と有効性を示すことができた。2212相と2201相のPCFを明確に分離することが今後の重要な課題である。一方、PCFの条件をLPE法に適用したところ、基板の腐食が生じ、膜結晶を成長させることができなかった。自己フラックスを使うためには、成長温度を低くできるように条件を絞るか、装置の改良が必要になる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 西村良浩: "「その場観察」による状態図作製" セラミック. 32・3. 191-195 (1997)
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[Publications] Yoshihiro Nishimura: "Growth of Y_2Cu_2Os single crystals by the travelliny solvent floaling zone method" J.Crystnl Growth. in press.
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[Publications] Yoshihiro Nishimura: "New growth method of oxide crysals by Po_2 change applied to SraBa_2Cu_3Ox single crysta" J.Crystal Growth. in press.