1998 Fiscal Year Annual Research Report
色素ドープゾル-ゲルコーティング膜の光化学センシング特性に関する研究
Project/Area Number |
09650023
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 欣弘 愛知工業大学, 工学部, 教授 (60064937)
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Keywords | 光湿度センシング特性 / 発光スペクトル / ゾル-ゲル法 / ディップコーティング膜 / クマリン4色素 |
Research Abstract |
クマリン4色素を高濃度にドープしたゾル-ゲルコーティング膜では分子の集合化が生じやすく、発光スペクトルはモノマー分子のそれより長波長側にピークを示す。このようなコーティング膜の発光は、湿度により消光され、高湿度領域では分子の集合化による発光が、低湿度領域では更にモノマー分子による発光が関与する。それらの発光の消光はそれぞれStern-Volmerの式に従い、その和で説明される。このコーティング膜を光湿度センサヘ応用する場合に要求されるセンシング特性としての湿度に対する応答性、応答速度、その安定性性について検討した。 (1) 湿度に対する応答性には分子の集合化による発光の寄与が大きく、多孔性コーティング膜の孔の大きさを大きくする必要があり、そのためにはコーティング膜の作製条件としての塩酸濃度が低く、クマリン4濃度が高い方がよい。 (2) 湿度の変化に対する応答速度には、モノマー分子及び分子の集合化による発光が関与し、湿度を上げていく過程では十分速いが、下げていく過程では遅れが生ずる。その遅れにはモノマー分子による発光が寄与する。 (3) 湿度に対する応答性の安定性には励起光の強度が関係し、photobleachingの影響が大きいことから励起強度を弱くすることが必要である。 以上のようにクマリン4ドープゾル-ゲルコーティング膜を発光に基づいた光湿度センサに応用する場合、コーティング膜の作製条件を考慮する必要があり、特に、多孔性コーティング膜の孔の大きさに留意した作製方法を選択することが必要である。
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Research Products
(1 results)