1999 Fiscal Year Annual Research Report
色素ドープゾルーゲルコーティング膜の光化学センシング特性に関する研究
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09650023
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 欣弘 愛知工業大学, 工学部, 教授 (60064937)
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Keywords | 光pHセンシング特性 / 発光スペクトル / ゾルーゲル法 / ディップコーティング膜 / クマリン6 / フルオレセイン / ローダミン6G |
Research Abstract |
ゾルーゲルコーティング膜にドープしたクマリン6、フルオレセインは酸-塩基平衡により分子形態を変え、その吸収、発光はpHに対し変化するため光pHセンサへの応用の可能性を持っている。それに対しローダミン6Gは酸-塩基平衡を示さず、吸収、発光はpHに対し変化しない。しかしながら、クマリン6とローダミン6G、フルオレセインとローダミン6Gを同時にドープしたゾルーゲルコーティング膜では、吸収のpH依存性はそれぞれ単独にドープした時と同じ振舞を示すのに対して、発光のpH依存性は異なっている。酸-塩基平衡をクマリン6フルオレセインの発光がpHに対し変化するのに伴ってローダミン6Gの発光も変化した。このローダミン6Gの発光のpHに対する変化は、その濃度が高くなるほど大きな変化を示した。この時、ローダミン6Gの吸収がpHに対し変化しないことから励起状態でクマリン6やフルオレセイン分子からローダミン6Gへのエネルギー移動が生じていると考えられる。よって、クマリン6とローダミン6Gフルオレセインとローダミン6Gを同時にドープしたゾルーゲルコーティング膜でのローダミン6Gの発光のpH依存性はエネルギー移動によるものと思われる。 次にこれら2つの色素のモル比及び触媒として添加する塩酸濃度を変えて作製したゾルーゲルコーティング膜のエネルギー移動に基づいた光pHセンシング応答について調べた。エネルギー移動に基づいて生ずるローダミン6Gの発光のpHに対する応答範囲や感度には、作製条件により最適値があり、応答範囲はクマリン6とローダミン6Gドープゾルーゲルコーティング膜ではpH1.0からpH10.0、フルオレセインとローダミン6Gドープゾルーゲルコーティング膜ではpH1.0からpH8.0と広い領域にわたっていて光pHセンサへの応用の可能性を持っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 高橋欣弘: "pH Dependence of Luminescence in Dye-Doped Sol-Gel Coating Film"Japanese Journal of Applied Physics. Vol.39. pp.L110-L112 (2000)
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[Publications] 高橋欣弘: "Luminescence of dyes doped in a sol-gel coating film"Journal of Luminescence. (to be published). (2000)