1999 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体を用いた短波長サブバンド間遷移発光の研究
Project/Area Number |
09650054
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森本 恵造 大阪府立大学, 先端科学研究所, 講師 (50100219)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 英雄 NTT, 光エレクトロニクス研究所, 主幹研究員
河村 裕一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (80275289)
|
Keywords | GaN / III-V nitride / MOCUD / MOVPE / inter-subband transition / quantum well |
Research Abstract |
原料ガス(アンモニア、トリメチルガリウム、水素)を基板と水平に、熱対流を押さえ、原料を基板に押し圧するためのガス(水素、窒素)を基板と垂直に導入する常圧ツーフロー型有機金属気相成長法を用いて高品質なGaNを作製する方法を調べた。過去2年間の研究から、短波長サブバンド間遷移光吸収が観測できる多重量子井戸を作製するためには表面平坦性、界面急峻性の良い薄膜作製法の確立が重要であることを再認識したためである。GaNをサファイア基板上にバッファーレーヤなしに直接成長させた場合の膜質は、原料ノズルの形状・基板との垂直距離・基板との角度、押圧ガス管出口付近の形状・基板との角度、原料流速、原料比、押圧ガス流速等、様々な条件が絡み合って大きく変化する。しかし、最も大きな影響を及ぼすのは押圧ガス管と基板の角度である。押圧ガス管の軸と基板の角度はほぼ垂直であるが、押圧ガスが僅かに原料ガスの方向を向くように設定しなければならない。最適角度に設定すると大きく綺麗な六角錐や六角柱が積層した連続膜になる。しかし最適角度から0.05度ずれると六角錐が欠けた状態になり、0.1度ずれると連続膜とならず島状成長となり、0.5度もずれるとGaNは全く成長しなくなる。上記の結果は原料流速が50cm/s、押圧ガス流速20cm/sの場合である。最適角度は原料流速に依存し、流速が大きくなるほどより傾けなければならない。上記の最適角度は原料ガスの基板上での滞在時間を大きくし、アンモニアの分解効率を高め、反応性窒素を効率よく基板に供給する配置となっている。
|