1998 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシン用シリコン微小機構の疲労特性に関する研究
Project/Area Number |
09650117
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
辻 裕一 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (10163841)
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Keywords | マイクロマシン / マイクロメカニズム / 疲労 / 微小材料 / 疲労試験 / シリコン単結晶 |
Research Abstract |
マイクロマシンが注目を集めており,機械の微小化に伴う多くの現象が研究対象となっている.材料強度に関する課題として,従来の構造材料とは全く異なる材料がマイクロマシニングに用いられること,微小化によりバルク材とは異なる強度特性の発現が予想されることが挙げられる.また,マイクロマシンの微小機構では,1サイクルの運動量が小さいため,通常の機械部品と比べ非常に大きな繰返し数と繰返し速度が要求される. 本研究では微小材料の使用条件下で想定される最大数百ヘルツでの高速・高サイクル負荷が可能な疲労試験機の開発を行っている.試験片への荷重負荷は支点間距離6mmの4点曲げ方式である.負荷部にピエゾアクチュエータを用い,0.1ミクロンの分解能で試験片の高速変位制御を可能としている.試験片の変形計測は,フィゾー干渉計を4点曲げ荷重負荷部が兼ねており,高速シャッター付CCDカメラ,画像処理ボードから構成されるコンピュータ画像処理システムにより行っている.繰返し負荷中の試験片の変形を0.3ミクロンの分解能でリアルタイムで取得できるシステムを完成させている.予備実験において,繰返し負荷中の試験片のたわみ変形から,純曲げ状態が達成されていることを確認した.微小機構の疲労用試験片として,応力集中部及び配線部を想定したV溝付及び導体薄膜付の単結晶シリコン拭験片を製作した.等方性及び異方性エッチングを利用し,これらの試験片の製作方法を確立した.完成させた各々の試験片に関して,V溝の深さは74ミクロン,薄膜の厚さは2ミクロンである.これらの拭験片を上記の試験機に装着し,繰返し負荷試験を行い,試験中の変形を計測できることを確認した.
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