1997 Fiscal Year Annual Research Report
軸対称物体のキャビテーションを伴うすきま流れ振動における不安定発生機構の研究
Project/Area Number |
09650265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
新井 正彰 東京農工大学, 工学部, 助手 (50092474)
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Keywords | Dileution Coupled with Fluid Motion / Fluid Force / Moment / Cauitution / Leakage Flow / Axisymmetric Body |
Research Abstract |
キャビテーションを伴うすきま流れにおいて発生する自励振動は、軸対称物体支持部の構造から見て、並進と回転の2自由度連成系の振動と考えられる。一方、すきま流れにおいて発生する並進振動の不安定発生機構は既に筆者らが明らかにした。しかし、回転振動の場合の不安定発生機構の解明はいまだ十分とは言い難い。そこで、本年度は回転振動における系の安定性に関する理論解析と検証実験を行った。また、不安定発生機構の基礎的な資料を得ることを目的に、理論解析はすきま流路でのキャビテーションの発生がない状態で行った。 まず、環状すきま流れにおける軸対称物体が微小な回転振動を行う場合、それに作用する流体力によるモーメントについて解析した。次に、モーメントに等価な付加慣性モーメント、付加減衰係数および付加剛性係数を定義し、支点位置あるいは流路出口に対する人口の面積比等を変えて、これら付加係数の特性を調べた。付加減衰および付加剛性係数の値は支点位置に大きく支配され、支点を流路入口下流に設定すると、負減衰や負剛性になる傾向が強くなることを示した。 実験装置の支点位置は流路入口上流と出口下流の二箇所とし、またすきま部分はアクリル樹脂で制作し、軸対称物体の運動とすきま流れを可視化した。流量、軸対称物体の角変位およびすきま部の圧力はそれぞれ電磁流量計、ギャップセンサおよび半導体型圧力変換器で測定し、それらの出力はFFTアナライザに記録した。実験結果から、支点が出口下流の場合は流量増加に伴って動的不安定や静的不安定が発生し、入口上流の場合は流量増加に対して常に安定であることがわかった。また理論値は実験結果との定量的な一致を示し、理論解析の妥当性が明確となった。
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Research Products
(1 results)