1999 Fiscal Year Annual Research Report
パワーエレクトロニクス制御系におけるカオスの解析と制御法
Project/Area Number |
09650469
|
Research Institution | KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
黒江 康明 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (10153397)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 武宏 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (60026359)
|
Keywords | パワーエレクトロニクス / 非線形システム / カオス / 分岐現象 / 安定解析 / 計算機援用解析 / 安定化制御 / モード境界解析 |
Research Abstract |
本年度は最終年度にあたるため、前年度に引き続いて、パワーエレクトロニクスシステムのカオス・分岐現象発生の解明のための理論的および計算機援用を前提としていくつかの解析法を開発し、さらにこれらの方法を制御法の検討に用いられるよう発展させ研究をまとめた。得られた成果は以下のようである。 まず、一般的なパワーエレクトロニクスシステムを対象とし、計算機を用いて安定解析するための計算機アルゴリズムを開発した。続いてこの方法を拡張し、分岐現象を発生させるシステムのパラメータ値を精度よく求めるための計算機アルゴリズムを開発した。これにより、システムの安定、不安定の判別だけでなく、分岐やカオス発生させるシステムのパラメータ値を直接求めることが可能となる。次に、電力用半導体素子の非線形スイッチング機能に起因する問題で、パワーエレクトロニクスシステムの特有の問題である動作モード解析を取り上げ、システムの動作モードのパラメータ平面における境界を決定するための計算機アルゴリズムを開発した。以上のアルゴリズムの中核となるのは、システムのパラメータ感度を精度良く求めることで、非線形ハイブリッドシステムとしてのパワーエレクトロニクスシステムの汎用性があり高精度な感度解析アルゴリズムを開発した。さらに具体例として、パルス周波数変調(PFM)機構を含むフィードバックシステムを対象として、実用性の高い簡便な安定判別法を開発するとともに、システムにリミットサイクルを発生させるパラメータの値を決定する方法も開発した。 開発した方法は、パワーエレクトロニクスシステムの分岐現象やカオスの発生機構を明らかにするため有力なツールとなり、また、カオス・分岐現象などを制御しシステムを安定化する制御器のパラメータ決定などにも有効に利用できる。
|
-
[Publications] Takahiro Todo: "Analysis of Hybrid Feedback Systems with PFM Mechanism"IEE Proceedings-D Control Theory and Application. Vol.146,No.3. 259-264 (1999)
-
[Publications] Yasuaki Kuroe: "Computer Methods to Analyze Stability and Bifurcation Phenomena"Nonlinear Phenomena in Power Electronics,IEEE Press. (to be published).
-
[Publications] Yasuaki Kuroe: "Analysis of Stability and Bifurcation in Power Electronic Induction Motor Drive Systems"Nonlinear Phenomena in Power Electronics,IEEE Press. (to be published).
-
[Publications] Yasuaki Kuroe: "Computation of Operating-Mode Boundaries in Power Electronic Circuits"Nonlinear Phenomena in Power Electronics,IEEE Press. (to be published).