1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650572
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
山口 高志 東京電機大学, 理工学部, 教授 (90256628)
|
Keywords | 洪水時河床横断 / 河川横断観測 / 洪水時河床変化 / 洪水時流量観測 |
Research Abstract |
現在建設省等が行っている洪水流量観測は,50年来橋上から棒浮子を投入してその流下速度(Vi)と,洪水前あるいは後の横断測量と水位から河積(A)を求め,流量(Q=ΣVi△Ai)を算出している。また最近は浮子の欠点を捕うべく,同よう橋桁等に電波流速計を数台とりつけ,洪水の始めから終わりまで表面流速を測定する方法も漸次行われるようになって来ている。しかし両者の方法に共通な問題点は,洪水時の河床変化が不明なため真の流量値が求められないことである。 本研究では,洪水時河床横断観測を第一の目的として,無人両岸曳航型小型ボ-ト(超音波測深器付き)を用いて,電波流速計観測地点(利根川前橋,越辺川落合橋)で,現地観測を行っている。 また電波流速計の観測値である水位(H)と表面流速(Vs)との関係の変化から,水理的に河床変化を推定することができるが,洪水時河床横断はこれのシートル-スになる点でも重要である。 本年度は (1)平水時観測は2地点で各6回(4〜9月)実施し,停止観測,移動観測,スタッフ等による実測等を行い,十分な精度で観測できること,および平水時観測に関する限りそれほど河床変化がなかったことがわかった。 (2)小出水はあったが日曜,夜が多かったため,あまり出動できず.1度だけ出水時観測を実施できたが,その際には河床変化は認められなかった。 (3)利根川前橋では,電波流速計のH-V_s関係が95〜96年の間は河床変化があったらしく,流速の増加する方向にシフトしていたのであるが,97年度は6出水にわたってH-V_sがほぼ固定したことから,流量換算係数f(Q=fΣV_si△Ai)を算定し,このfが断面固有なものとして95,96年のデータに適用し,河床変化シミュレーションを行った。しかし当時の洪水時横断はとられていないので,検証はされていない。
|