1997 Fiscal Year Annual Research Report
常時微動測定に基づく中低層建築物の地震応答特性の総合的評価
Project/Area Number |
09650619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
翠川 三郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (00143652)
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Keywords | 地震応答 / 建築物 / 常時微動 / 固有周期 / 減衰定数 / 振動モード / 振動測定 |
Research Abstract |
軽量小型の多チャンネル常時微動測定システムを作成した.ハードウエアは,小型地震計,小型増幅器,カード型AD変換器,ミニノートパソコンの組み合わせからなっている.このうち,小型増幅器は自作し,その他は既成のものを利用した.感度特性は周期1秒程度まで速度に対して平坦なものである.電源は乾電池等を使用し,予備の小型バッテリ-を併用すれば,5時間程度の測定が可能である.全体の重量は3チャンネル用の場合には5kgにおさまり,非常に容易に現場まで運搬できる. ソフトウエアとしては,各チャンネルの波形のモニター,各チャンネルの波形の演算(和,差)・表示については既存のものを利用した.スペクトル解析およびスペクトル・スペクトル比や波形の表示・印刷のプログラムについては自作した.これにより,解析結果が現場で即座に確認できる. 作成した測定システムを用いて実際に現場で測定を行った.地盤の常時微動を測定する場合には10分程度で測定を完了することができ,現場で記録を確認しながら迅速かつ効率よく測定を行うことができることを確認した.また,いくつかの地点で常時微動の水平動/上下動スペクトル比により地盤の震動特性を評価し,対象敷地の地盤特性を反映した合理的な模擬地震動を作成するための基礎資料を得た.
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