1998 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート曲げ部材の終局限界を与える主筋の座屈と破断に関する研究
Project/Area Number |
09650628
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中塚 佶 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60107133)
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Keywords | 主筋 / 座屈ひずみ / コンファインドコンクリート / くり返し載荷 / 推定式 |
Research Abstract |
コンクリート部材・構造にとって最も危険な終局破壊、すなわち主筋破断による破壊を引き起こす主筋の座屈を、コンファインドコンクリートの性能、主筋の塑性ひずみ履歴と関連づけて解明することを試みた。研究方法において、鉄筋ロードセル(主筋の局部を焼き入れ・高強度化し、その部分に貼付したひずみゲージの測定値から主筋の分担荷重を得る方法)という新しい方法を採用している点に特徴がある。なお、鉄筋ロードセルの精度改善に伴う諸検討のため主筋破断に対する実験・考察は行えなかった。 得られた主な結果を以下に示す。 (1) 焼き入れ幅の詳細な検討から、鉄筋ロードセルの測定精度は同幅を従前より少し広くする事によって顕著に改善できることが分かった。 (2) 本研究においては、これまで繰り返し載荷における骨格曲線等、鉄筋自身の挙動に注目してきた。しかし、高精度の鉄筋ロードセルによって今回行った、主筋と主筋を取り巻くコンファインドコンクリートの分担圧縮力の分離から、主筋座屈はその周りのコンファインドコンクリートの応力-ひずみ特性(損傷状況)に大きく依存する傾向のあることが分かった。 (3) 今年度の繰り返し載荷実験によれば、コンファインドコンクリートの応カ-ひずみ特性におよぼす引張載荷ひすみ履歴および圧縮載荷ひすみ履歴の影響は明確でなかった。このことは、いずれの載荷履歴での主筋の座屈時ひずみも単調圧縮試験でのそれで推定されることを意味するが、今年度の実験結果はその予想をほぼ裏付けるものであった。
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