1998 Fiscal Year Annual Research Report
人工気候室内において夏季の気流が発汗反応と熱的快適性に及ぼす効果
Project/Area Number |
09650651
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
梅宮 典子 京都大学, 工学研究科, 助手 (90263102)
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Keywords | 局所発汗量 / 熱的快適性 / 気流感 / 主観申告 / 扇風機 |
Research Abstract |
被験者が十分に気候馴化したと思われる8月中旬から9月にかけて、1日1名を対象とし、午後1時入室、入室90分後にファン運転(または停止)、120分後に停止(または運転)するものとして、ファン運転時に入室して途中からファン停止、逆にファン停止時に入室して途中からファン運転、の2種類について実験した。局所発汗量(2点)、鼓膜温度、皮膚温(4点)を測定、申告を記録した。ファン運転時の気流は顔面近傍で1.0(m/S)とした。また、サーモグラフィーによってファンの運転・停止時の変化を中心に人体表面温度分布を記録した。両年度で合計20名の被験者の協力を得て、1名の被験者あたり同一条件で3回以上の測定をおこなった。気流感に関する申告調査法について、関連する既往の文献を網羅的に収集して、結果をもとに申告票の作成をおこない、今年度は、心理反応についてより詳細に測定した。おもな結果として、(1)20名について1名3回以上づつ測定したことによって、ファン停止による熱ストレスへの個人の生理反応を類型化できる可能性が示唆された。すなわち、発汗反応によって迅速に対応できるグループ、発汗閾値が高く皮膚温上昇で対応するグループ、両者の中間グループへの分類であり、さらに、これらの生理反応による分類は、生育地、運動歴、扇風機や冷房使用、通風に関する嗜好により説明できる可能性が示唆された。(2)室内の雰囲気において、気流の有無による影響が大きいのは、居心地、親しみやすさ、緊張感、ゆとり、暑苦しさ、明るさ、単調さである。第1回ファン停止と再運転後の第2回ファン停止を比較すると、雰囲気の好ましさをあらわす雰囲気評価は第2回のほうが向上している一方で、暑苦しさは第2回のほうが強かった。今後は、局所発汗量と全身発汗量との対応づけにもとづいた考察が必要であると思われる。
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Research Products
(2 results)