1997 Fiscal Year Annual Research Report
地域コミュニティを活用した防災住区への住環境誘導システム
Project/Area Number |
09650667
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 克彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (10115983)
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Keywords | 地域コミュニティ / 防災計画 / 住環境 / 復興まちづくり / まちづくり協議会 / 阪神・淡路大震災 / 建築協定 / 自主防災 |
Research Abstract |
地域コミュニティを活用した災害時にも安全な防災地区への計画誘導手法を検討するために、住民主体のまちづくりが展開されている阪神地域の被災地区を調査対象として、下記の項目について重点的に調査・分析を行い、問題点を抽出した。 1,被災地区の行政体を対象に、地区計画制度の運用状況や各種復興事業の進行状況などを調査した。また比較対象として、東京都における防災目的の地区計画の事例を収集した。そして、被災地区の地区整備計画の内容には、被災の教訓が充分に反映されていない問題点が明らかになった。 2,被災地の46地区の建築協定地区を対象として、被災時における協定の役割についての住民意識を分析した結果、被災のあった地区ほど協定の有用性が評価され、特に協定の更新地区で評価が高くなっていることが分かった。 3,被災地区の行政体を対象に、まちづくり協議会の結成状況を把握した上で、まちづくり協議会を対象としてアンケート調査を行い(調査数:36地区)、復興まちづくりの進行状況と問題点を明らかにした。そして、復興まちづくりやルールづくり等の取り組みに対する地域差が明らかになり、地域住民と行政、専門家とのパートナーシップが重要な役割を果たしていることが分かった。 4,被災地の神戸市と京都市、及び東京都と静岡県の防災対策の現状について資料収集して明らかにした結果、震災の教訓を反映して、地域コミュニティを活用した自主防災対策が重要視されていることが分かった。ただし、地域特性を反映した防災対策が十分に確立されていない問題点が明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鈴木克彦: "建築協定を活用した住環境防災化への誘導方策に関する研究" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 第37号. 161-164 (1997)
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[Publications] 鈴木克彦: "戸建住宅地の被災・復興と地域コミュニティ" 日本建築学会編阪神・淡路大震災調査報告. 第8巻. (1998)
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[Publications] 鈴木克彦: "震災時における建築協定の役割に対する住民評価について" 日本建築学会計画系論文集. 第509号. (1998)