1998 Fiscal Year Annual Research Report
耐塩性藻類ドナリエラとキトサンを用いる水域からのリンの固定化・回収プロセスの検討
Project/Area Number |
09650841
|
Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
鈴木 孝弘 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (30192131)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 愈 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10016735)
|
Keywords | 微細藻類 / ドナリエラ / 光合成 / ポリリン酸 / 生物濃縮 / リンの固定 |
Research Abstract |
本研究は海洋性微細藻類Dunaliellaのリン(P)に対する高い生物濃縮係数とPを生育に必要とする以上に細胞内に多く蓄積するLuxuary consumptionと呼ばれる特性に着目して、Pの水域からの回収、再資源化に対するプロセス構築のための基礎的検討を目的としている。本年度は、昨年度に引き続きDunaliellaのPの取り込みに関する各種環境因子の詳細な影響と収穫した藻細胞からのPの回収について重点をおいた検討を行った。 Dunaliellaの中で増殖が比較的速く、Pの含有量が多いD.parvaを実験材料として、各種環境操作因子(温度、光強度、CO_2濃度、培養液のP,N,Ca^<2+>イオン濃度等の組成)の細胞中のP蓄積量に及ぼす影響を検討した。その結果、D.parvaのP蓄積量は前培養液中のP濃度の影響が最も大きいことが明らかとなった。光について、12時間毎の明暗周期による光照射の影響を調べたところPの蓄積には、連続光照射が有効であることを見出した。さらに、その他因子も含め総合的に評価してPの蓄積量を最大にする最適培養操作条件を求めた(論文準備中)。また、藻細胞のP含有量は増殖期にも大きく依存することがわかり、P含有量が最も多い対数増殖後期の細胞を選択的に収穫することが重要であることがわかった。一方、Pの細胞からの回収方法としてキチンおよびキトサンによる吸着法とCa(OH)_2またはAl_2(SO_4)_3による沈殿法を実験的に比較検討したところ、後者の方策が有効であることがわかった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Takahiro Suzuki: "Influence of Environmental Factors on Fhosphorous Content in the Marine Microalga Dunaliella" Toxicological and Environmental Chemistry. 64. 173-181 (1997)
-
[Publications] Takahiro Suzuki: "Effect of Procaine Concentration on the Growth of Some Species of Microalgae and Cyanobacteria" Journal of Pharmacy and Pharmacology. 50(Suppl.). 133-133 (1998)