1998 Fiscal Year Annual Research Report
発酵有機酸の新しいin situ膜分離プロセスの開発
Project/Area Number |
09650851
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松本 道明 同志社大学, 工学部, 助教授 (10157381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 和生 同志社大学, 工学部, 教授 (30038096)
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Keywords | 乳酸 / 三酢酸セルロース膜 / 有機酸発酵 / 協同効果 |
Research Abstract |
抽出剤を含んだ固体高分子膜の開発およびその乳酸発酵への応用を目指して研究を行い,本年は以下に示す知見を得た. 1. 高分子膜による有機酸透過に及ぼすアニオン種の影響 前年度までに4級アンモニウム塩を含む高分子膜による乳酸の透過に関する定量化を行ったが,本年度は発酵液中に共有する無機アニオン種の影響を検討した.まず硫酸およびリン酸アニオン単独の膜透過機構を検討し,透過が乳酸と同様の機構で進行していることがわかった.さらに3成分混合系の透過実験を行い,その選択分離の可能性を検討しているところである. 2. 乳酸発酵への高分子膜の応用 4級アンモニウム塩を含む高分子膜を乳酸発酵と組み合わせた装置を作成し,稼働させた.その結果乳酸は濃縮されるものの,4級アンモニウム塩による毒性は完全には除去できず発酵が途中で停止した.そのため以下に示すような新しい乳酸の抽出系の開発を検討した. 3. 有機酸の協同抽出に関する研究 4級アンモニウム塩は発酵至適pH6付近で高い抽出能力を示すが,これまで報告された溶媒和型の乳酸の抽出剤ではpH6ではほとんど乳酸の抽出ができなかった.そこで全く新しい試みとしてこれまでに報告のない乳酸の協同抽出を検討した.種々の系を検討したところ,トリオクリルアミンおよびリン酸トリブチルを用いた協同抽出系を見いだした.さらにこの化学量論関係を明らかにし,抽出平衡定数を求めた.今後この系について更に詳しく検討するほか,乳酸発酵への応用も検討する予定である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松本 道明: "Permeation of Lactic Acid through Polymeric Membrane Containing Mobile Carriers" Proceedings of the 4th Sino-Japanese Liquid Membrane Symposium. 115-118 (1998)
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[Publications] 松本 道明: "Separation of Lactic Acid Using Polymeric Membrane Contaning a Mobile Carrier" Journal of Fermentation and Bioengineering. 85・5. 484-488 (1998)
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[Publications] 松本 道明: "Synergistic Extraction of Lactic Acid with Tri-n-octylamine and Tri-n-butylphosphate" Journal of Chemical Engineering of Japan. 31・6. 996-998 (1998)
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[Publications] 松本 道明: "Fermentation of Lactic Acid Combined with Solvent Extraction or Membrane Separation Containing a Mobile Carrier" Recent Research Developments in Fermentation and Bioengineering. (印刷中). (1999)
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[Publications] 松本 道明: "Synergistic Extraction of Organic with Tri-n-butylphosphate and Tri-n-octylamine" Proceedings of 3^<rd> Taipei-Kyushu Joint Symposium on Chemical Engineering. (印刷中). (1999)