1998 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライトおよび類緑化合物の格子空間を反応場とした機能性クラスターの設計
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09650924
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三宅 通博 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (30143960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 元秀 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (80222305)
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Keywords | ホスト・ゲスト反応 / ゼオライト / アルミノリン酸塩モレキュラーシーブ / 非線形光学クラスター / 半導体クラスター / ニトロアニリン / 硫化物 |
Research Abstract |
本年度は、前年度の研究(1)を継続すると共に、カンクリナイトの格子空間での半導体クラスターの合成(2)を行った。 1. 0-、m-、p-ニトロアニリンクラスターを包蔵することにより非線形光学特性を示すアルミノリン酸塩モレキュラーシーブ-5(AlPO_4-5)について、ゲスト分子の存在状態を粉末X線構造解析法およびシミュレーション法により検討した。p-ニトロアニリンを包蔵したAlPO_4-5の構造解析を行った結果、明確な解析結果が得られなかったが、p-ニトロアニリン分子が1次元チャンネルに沿って互いに約60゚づつ回転して配列していることが示唆された。次にo-、m-、p-ニトロアニリンの存在状態を分子動力学によりシミュレートした。その結果、無秩序に配列した分子の存在も見られるが、ある程度チャンネルに沿って分子が配列し、全体としてチャンネルに沿った方向に分極が生じていることが示された。 2. 硫化物イオン含有カンクリナイトを合成し、さらにカドミウム、亜鉛、鉛イオンを格子内に挿入することにより、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化鉛半導体クラスターが合成できることを見いだした。得られた半導体クラスターの評価については検討中であるが、現在までに紫外可視領域での硫化カドミウムクラスターの吸収端はバルク結晶と比較してブルーシフトすることを見いだした。またカンクリナイト中での硫化物イオンの存在状態より、チャンネル内ではM_3S(M=cd、Zn、Pb)クラスターが、ケージ内では一次元の鎖状クラスターが形成していると考えられた。
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