1998 Fiscal Year Annual Research Report
アポミクシスを利用した花卉のクローン増殖法に関する研究
Project/Area Number |
09660034
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森 源治郎 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (20081515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 宏昭 大阪府立大学, 農学部, 助手 (50173208)
山口 俊彦 大阪府立大学, 農学部, 教授 (30081558)
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Keywords | ヒガンバナ科植物 / ラン科植物 / ユリ科植物 / アポミクシス / オオキシン処理 / 花粉の受粉刺激 |
Research Abstract |
本研究の2年目において、次の成果を得ることができた。 1. まず、遠縁種花粉の受粉刺激によりアポミクシス誘導可能な種を見出すために、ヒガンバナ科およびラン科植物およびユリ科植物を材料に遠縁花粉の受粉を試みたところ、ヒガンバナ科のChyrtanthusおよびNerine、ラン科のDendrobium、ユリ科のAlliumを母株にした場合において、正常な種子とこれから発芽した新個体を得ることができ、アポミクシス誘導が可能であることが示された。 2. 昨年の実験で、Zygopetalum mackayiの柱頭への塗布処理においてアポミクシスを誘導するのに効果のあったNAA水溶液の処理を他のラン科、ヒガンバナ科およびユリ科植物に適用したところ、ラン科植物の2種、ヒガンバナ科植物の4種およびユリ科植物の3種類において種子形成が認められ、さらに高い確立で正常な種子とそれから発芽した新個体を得ることができた。この結果から、人為的にアポミクシスを誘導する方法としてNAA処理が極めて有効であることが明らかになった。 3. 昨年に引き続いて、自家花粉に放射線および紫外線の照射、高圧あるいは高温などの処理を試みたところ、正常な種子とそれから発芽した新個体を得ることができた。しかし、放射線および紫外線の照射、高圧あるいは高温処理後の花粉の発芽試験を行ったところ、いずれの種類においても、一部の花粉で発芽能力を維持していることが明らかになり、得られた種子の中には受精によって形成されたものが含まれている可能性が示された。
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