1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660047
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 利治 名古屋大学, 農学部, 助教授 (30227152)
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Keywords | 寄主特異性 / host specificity / endoparasitoid / stage specificity / Cotesia ruficrus / Cotesia kariyai / Pseudaletia separata |
Research Abstract |
体内捕食幼虫寄生バチは、鱗翅目幼虫を寄生とし寄主の限られた資源を寄主自身の発育に使われたのでは、寄主体内での寄生バチの発育は保証されない。アワヨトウのような鱗翅目幼虫は、幼虫期に精巣を発達させるため、これらを寄主とする寄生バチにとってこの発育を抑制することは資源を確保する点から重要なことである。ここで用いたカリヤコマユバチは、雄の奇主幼虫に寄生するとその精巣の発育を寄生時から止めてしまうということや、この働きはポリドナウイルスにあることを既に明らかにしてきた。今回の研究では、カリヤコマユバチのポリドナウイルスの遺伝子の中にRNaseT2の活性基が2個入っていることが判明し、精巣細胞中で細胞分裂が停止しているところで発現していることも判明した。どの様な仕組みでRNaseT2が細胞分裂を停止し、細胞を壊すのかの仕組みを明らかにしていく。 ポリドナDNA同士の解析は、進行状況が悪い。それぞれの寄生バチのポリドナDNAを制限酵素処理して、プローブに相互の寄生バチのポリドナDNAを用いてサザンハイブリダイゼーションを行ったところ、うまく検出できなかった。そこで、制限酵素処理をしていないイネヨトウコマユバチのポリドナDNAに対しカリヤコマユバチのポリドナDNAで同様のことを行ったところ、13.8で強く、16.8、14.7と15.1,21.2の4つの分節DNAとハイブリした。逆の組み合わせは現在行っているところである。現在、シークエンスも行っている。
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