1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660125
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小野 伴忠 岩手大学, 農学部, 助教授 (10003790)
|
Keywords | 豆乳 / 豆乳クリーム / リピッドボディタンパク質 / 大豆タンパク質 / 大豆油 |
Research Abstract |
健康に必須である油をより美味に安定に食品へ導入するかを研究するために、大豆中の油が如何にして水中で安定な乳濁質を作り、豆腐ゲル中で強固に固定されているかをタンパク質と脂質の関係から研究した。 1.大豆より未加熱の豆乳とそれを加熱した豆乳を調製し、超遠心分離によりクリーム,可溶性,粒子の3画分を得、タンパク質・脂質含量を測定した。未加熱では中性脂質の70%が粒子中に存在し、加熱によりそのほとんどがクリーム画分に移行することが判った。リン脂質は未加熱・加熱に関わらずその半量はタンパク質に結合していた。 2.各画分のタンパク質組成をSDS電気泳動により検討したところ、未加熱の粒子画分には11Sグロブリンが多く、加熱によりその粒子は崩壊し新たに7Sのβと11SのAサブユニットを主体にした粒子を生成することが判った。一方、クリーム画分には大量に2種のタンパク質が含まれ、それは大豆中ではマイナ-なタンパク質であり、リピッドボディタンパク質ではないかと考えられた。 3.未加熱豆乳を室温から100℃近くまで5℃づつ順次温度を上昇させたものについて、1.同様に分画後、分析を行った。粒子中に含まれるタンパク質,脂質は65-70℃で粒子より遊離し、80-90℃で脂質はクリーム画分に、タンパク質は新たに11SのBと7Sのβサブユニットで粒子を形成することが判った。 以上のことから、豆乳の調製におけるクリーム画分とタンパク質粒子画分の生成についての基本的なデータが得られた。今後さらに、豆腐ゲル生成におけるクリームおよびタンパク質粒子の挙動を追跡し、脂質の安定化機構を解明する予定である。
|
Research Products
(1 results)