1997 Fiscal Year Annual Research Report
生体酸化防御機能性食品素材としてのアントシアニンの機能開発と機能発現機構の解明
Project/Area Number |
09660129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
五十嵐 喜治 山形大学, 農学部, 教授 (00111336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 一良 山形大学, 農学部, 教授 (00005612)
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Keywords | アントシアニン / ヤマブドウ / マルビン / 酸化障害 / ラジカル消去 / パラコート / ナスニン |
Research Abstract |
赤ワインの摂取量が多いフランス人は高脂肪食にも関わらず、高脂肪食の他の欧米諸国の人々に比べて心疾患の少ないことが注目され、その要因の一つとして赤ワインに由来するポリフェノールの高い摂取量があげられている。本年度は特に、山形県朝日村で製造されているヤマブドウジュース、および赤ワインの原料としてのヤマブドウに多量に含まれるアントシアニンの一つ、マルビンのin vitroにおけるラジカル消去能と生体酸化防御機能について検討し、以下のような結果を得た。 1.X(活性酸素種)、Y(触媒種=抗酸化性物質)、Z(受容種)からなる新規ラジカル消去システムを用い、マルビンのラジカル消去能を測定したところ、ナスニン(アントシアニンの一つ)がpH8以上で高いラジカル消去能を示したのに対し、マルビンは酸性側においてもラジカル消去活性を示した。中性以上のpH領域ではナスニンの消去活性がマルビンよりも強かった。 2.パラコートによって酸化障害を負荷したラットにヤマブドウジュース、あるいはマルビンを投与したところ、いずれも、パラコート酸化障害による飼料摂取量と体重の減少、血清・肝臓の中性脂肪(トリアシルグリセロール)の減少、さらには肝臓ミトコンドリア画分のカタラーゼ活性の低下を抑制する傾向があった。これらの結果はマルビンが生体酸化に対して防御的に作用する可能性を示した。 3.マルビンとナスニンのパラコート酸化障害に対する防御効果をラットを用いて比較したところ、新規ラジカル消去システムにおいて高pH側で強いラジカル消去活性を示したナスニンがマルビンよりも効果的であった。
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