1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660161
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡辺 弘之 京都大学, 農学研究科, 教授 (90026633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 隆之 京都大学, 農学研究科, 助手 (20233877)
竹田 晋也 京都大学, アジア・アフリカ地域研究科, 助教授 (90212026)
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Keywords | 非木材林産物 / 熱帯 / ラック / シェラック / アメリカネムノキ / 食品着色料 |
Research Abstract |
熱帯諸国から多様な非木材林産物といわれるものが輸入されているが、多くのものが、どのように加工されているか、逆に、生活の中でよく利用しているのに、それが熱帯非木材林産物であるとの認識が足りない。 ラック(シェラック)はラックカイガラムシの分泌物で、インド、タイを主に、中国南部を含め、東南アジア諸国で、アメリカネムノキ、セイロンオーク、ハナモツヤクノキなどに放虫・増殖させ、その分泌物を回収・輸出している。全世界で利用されるものの、その生産は熱帯アジアに限られている。 わが国には、東京・岐阜・大阪にある化学工業会社により精製、製品に加工されるが、輸入量安定確保のため共同組合をつくっっている。最近の輸入量は650〜900tで、推移減少し、輸入価格が高騰している。ラックは塗料、電気器具絶縁材、粘接着材、医薬錠剤のコーティング、食品着色料など多様な用途に使われているが、輸入量の減少・価格の高騰で、代替品に替えている。わが国をはじめ、先進諸国での大きな需要があるのに、熱帯アジア諸国での生産が増えない。生産者と加工業者との間の情報は、輸入業者に頼るだけで、お互いに実状をほとんど把握していない。 成果の一部を「熱帯の非木材林産物の生産・流通・消費の連関構造 ラック(シェラック)・として、日本熱帯生態学会年次大会で発表した。
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