1999 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の炎症性マクロファージの分離精製とその生理機能
Project/Area Number |
09660207
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
延東 真 宮崎大学, 農学部, 助教授 (80128355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 照豊 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20240294)
飯田 貴次 宮崎大学, 農学部, 教授 (70159557)
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Keywords | 魚類 / マクロファージ / 炎症 / 鰾 / ストレス |
Research Abstract |
昨年度までに開発した鰾を用いたマクロファージの分離法を使って、ストレス下における炎症性マクロファージの機能を分析した。最近、養魚に自発摂餌システムが導入さている。この方法は従来の給餌法、つまり定刻に給餌をする定刻給餌と異なり、魚自身が餌を食べると量と時間を決定できる給餌法である。この自発摂餌システムで飼育すると、魚は餌を待つというストレスから解放され、非常に落ち着いた行動を示す。ティラピアOleochromis niloticus(体重約50gm)を、上記に示した自発摂餌システムと定刻給餌システム下で飼育した。自発摂餌飼育システムにおいて魚が食べた量を毎日記録し、同量を一日一回午前11時に定刻給餌飼育魚に与えた。1週間飼育した後、好中球破砕液(1x10^3cells/ml)発を鰾に注射し、4日後浸出してきた細胞を回収した。この自発摂餌飼育されたティラピアと定刻給餌飼育のものについて、ストレス指標となる血液中コルチゾール量をエンザプレートコルチゾールキット(バイエルメディカル社製)を用いて測定した。その結果、定刻給餌飼育魚は自発摂餌飼育魚に比べて有意に血中コルチゾール量が高く、高いストレス下におかれていることが分かった。この様なストレス状態下にある自然摂餌と定刻給餌飼育魚からそれぞれマクロファージを分離した。それぞれの分離できるマクロファージの総数、貧食指数、及び化学発光能を通常の方法で調べた。その結果、マクロファージ総数には差がないが、貧食指数と化学発光能では定刻給餌飼育魚で有意に低かった。この様に高いストレス飼育下では、マクロファージの生理機能が低下していることが分かった。これはマクロファージ機能とストレスの関係を調べた、魚類における初報告である。
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