1999 Fiscal Year Annual Research Report
水産発酵食品の呈味有効成分とD型アミノ酸の味への寄与
Project/Area Number |
09660228
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 宏喜 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80086727)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 勝子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30092381)
|
Keywords | 魚醤油 / エキス成分 / ペプチド / 遊離アミノ酸 / うま味 / 官能検査 / 呈味成分 |
Research Abstract |
高品質な典型的魚醤油であるベトナム産魚醤油を用い,呈味有効成分を調べた。すなわちまず,遊離アミノ酸,ペプチド態アミノ酸,有機酸,ヌクレオシド・塩基,糖,クレアチンおよびクレアチニンを分析した。全窒素に占める割合は遊離アミノ酸67.3%,ペプチド態アミノ酸20.0%,ヌクレオシド・塩基4.0%,クレアチンおよびクレアチニン3.2%およびピログルタミン酸3.4%であり,窒素回収率は97.7%とほぼすべての含窒素化合物が分析された。この分析値に基づいて合成エキスを調製し,15倍に希釈し,0.3%食塩を添加して三点識別試験法によりオミッションテストおよびアディションテストを行った。その結果グルタミン酸,スレオニン,アラニン,バリン,ヒスチジン,プロリン,チロシン,シスチン,メチオニンおよびピログルタミン酸の10成分が有効成分であることが明らかになった。総窒素の20%を占める低分子ペプチドを分画するため,魚醤油を陽イオン交換樹脂カラムに通し,アミノ酸・ペプチド画分を濃縮後陰イオン交換樹脂カラムにより中・塩基性画分と酸性画分に分画した。これらを分子量500の膜を用いる限外濾過により分子量500以上を集め,それぞれ中・塩基性ペプチド画分および酸性ペプチド画分とした。これらを合成エキスに添加して官能検査を行ったところ,中・塩基性ペプチドは甘味を増強し,酸性ペプチドは酸味を強めることが明らかとなった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] ABE, H. et al.: "Occurrence of D-Amino Acids in Fish Sauces and Other Fermented Fish Products"Fisheries Sci.. 65. 637-641 (1999)
-
[Publications] Park,J.-N. et al.: "Chemical Composition of Fish Sauces Produced in Southeast and East Asian Countries"J. Food Comp. Anal.. (in press).