1997 Fiscal Year Annual Research Report
低温増殖性乳酸菌の食肉中での作用と加工特性に関する研究
Project/Area Number |
09660293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
芳賀 聖一 名城大学, 農学部, 助教授 (20041056)
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Keywords | 発酵食肉製品 / 超高圧処理 / 低温増殖性乳酸菌 / 乳酸菌の有害微生物制御 / 発酵食肉製品の物性 / 発酵食肉製品の色調 |
Research Abstract |
1993年3月の食品衛生法施行規則一部改正に伴う規格基準の改正により食肉加工の理論と技術に新しい展開が期待されている。標記研究代表者は、これまで乳酸菌を利用した発酵食肉にみられる様々な性状変化を生物化学的に検討し、低温発酵性の乳酸菌利用によって安全で高品質のハム製造が可能であることを示唆した。さらに、低温発酵性乳酸菌の利用によって有害細菌の増殖を効果的に阻止し、非加熱発酵ハム(生ハム)が製造可能であると思われる。そこで本研究は、豚ロース肉に低温発酵性乳酸菌をスターターカルチャーとして接種し、3%食塩、0.05%亜硝酸塩、0.2%硝酸塩、1%グルコースで塩漬しながら1週間発酵を行った。さらにその後、真空包装したものを300MPaで15分間(20℃)超高圧処理を行った。それぞれの処理試料を1週間、低温下(5℃)で貯蔵後供試した。その結果、発酵処理により接種乳酸菌数は10^8レベルに達し、pHは5.79から4.72まで低下した。しかし、大腸菌群、低温細菌および酵母の増殖が貯蔵中に観察され、発酵だけでは微生物の死滅は不可能であることが示唆された。また、発酵による色調の改善が認められ、ヘム色素のニトロソ化率から求めた発色率は有意に(P<0.05)高くなり、また、色差からより鮮やかで深い赤色を呈する色調に変化することが示された。さらに、食感を推定する物性値は有意に(P<0.05)高くなり、緻密な組織になることが示唆された。次に、超高圧処理を併用した試料については、発酵だけでは残存した微生物が乳酸菌を除きすべて死滅し、pHも5.16となり過度な低下を抑制することができた。また、色調に関しては発色率は向上したが全体に淡色化する傾向が認められた。物性値は凝集率、瞬間弾性率、ニートン粘性率が有意に(P<0.05)増加し、歯ごたえのあるジューシ-な食感に変化することが示唆された。以上のような発酵・超高圧処理による豚ロース肉は官能的にも高い評価が得られた。
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