1998 Fiscal Year Annual Research Report
羊スクレイピー病原体(プリオン)の多様性に関する研究
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09660312
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
松井 高峯 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40111116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 壮一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30181621)
石黒 直隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00109521)
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Keywords | スクレイピー / プリオン / クロイツフェルト-ヤコブ病 / アポリポプロテインE |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本で発生した羊スクレイピーの病原体の多様性を、1)スクレイピー羊に蓄積するPrPScの生化学的性状、および2)実験動物への伝達性、から検討することである。またPrP以外の因子がスクレイピー病原体の多様性に関与する可能性も検討課題である。 日本で発生した羊スクレイピー8例と、実験感染羊3例の合計11例のスクレイピー感染羊の各々の脳内に存在するPrPScの生化学的性状を蛋白質分解酵素(ProteinaseK[PK])に対する抵抗性を指標に検討した。PK濃度40ug/ml、2時間の処理で分解されるPK易感受性のPrPScが蓄積している羊と、同処理で分解されないPK強抵抗性のPrPScが蓄積している羊が存在することが判明した。次に上記11例の羊の10%脳乳剤をPrP遺伝子型の異なる2系統のマウスに接種し、伝達性および病変の出現部位に違いがあるか否かを検討した。損結果、230日程度の潜伏期でマウスに伝達可能なもの、400日程度の潜伏期でマウスに伝達可能なもの、およびマウスに伝達出来なかったもの、の3種に分類された。マウスに伝達可能であった羊スクレイピー病原体は、生物学的性状(潜伏期)の違いによる分類、と生化学的性状(PrPScのPK抵抗性)の差による分類が一致した。以上の結果から、日本の羊には少なくとも3種類のスクレイピー病原体が存在することが示唆された。マウスに伝達可能であったものは、病理学的検索もあわせて検討している。 クロイツフェルト-ヤコブ病(CJD)では、アポリポプロテインE(ApoE)遺伝子型とCJD発症の関連が示唆されている。そこで、羊ApoE遺伝子をクローニングして、同遺伝子の多型を調査するとともに、多型の出現頻度をスクレイピー羊群および健康羊群の間で比較したが、統計学的に有意な差は確認されなかった。この結果は論文として公表した(Komatsu et al.,1998)。
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Research Products
(1 results)