1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武 幸子 九州大学, 医学部, 助手 (80253425)
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Keywords | ストレス / 視床下部 / サイトカイン / NK括牲 / c-Fos / Prostaglandin E2 / RNase Protection Assay / 定量化RT-PCR |
Research Abstract |
本研究の目的は、種々のストレスによる免疫機能修飾、中でも免疫機能亢進の機序、特にその脳内機序を解明することである。免疫系機能は細胞性免疫能と液性免疫能に大別されるが、最近、ヘルパーT細胞がさらにIl-2、Il-12、IFN-γを産生し細胞性免疫能に関与するTh1細胞と、IL-4、IL-5、IL-6、IL-1Oを産生し液性免疫に関与するTh2細胞に分かれ、このTh1/Th2バランスが生体の免疫機能に重要であり、ひいては種々の疾病の発症に関与することが分かってきた。そこで本年度はまず(1)これらTh1、Th2細胞が産生するサイトカイン群をmRNAレベルで高感度に同時に検出できる方法として、RNase Protection Assay法を導入した。(2)さらに微量の検体でより高感度にmRNAの定量化をできる方法としてcompetitive RT-PCR法を導入、この方法を用い、拘束ストレス開始30分後より視床下部、下垂体、肝臓でIL-1 β mRNA発現が増加するが、海馬、脾臓では変化しないこと及び拘束ストレスによる脾臓NK活性低下は杭IL-1血清の前投与で抑制されることから、この免疫抑制の少なくとも1部は脳内に発現するIL-1 βにより媒介されることを明らかにした。(3)さらに脳内にはIFN αがconstitutiveに存在し、拘束ストレスによりIFN α mRNAが脳内で増加するが、IFN αを海馬内に微量注入すると、NK活性が亢進することを見出した。(4)拘束ストレスによる脾臓NK活性低下はプロスタグランディン(PG)合成阻害薬であるディクロフェナックの脳室内前投与で抑制され、さらにPGE2の視床下部室傍核、視索前野、第3脳室前腹側壁内微量注入はNK活性を活性を抑制させるが、外側視床下部内微量注入はNK活性を亢進させることを明らかにした。(4)拘束あるいは高温及び低温ストレスにより、FOSタンパクが、視床下部室傍核、視索前野、腹内側核、第3脳室前腹側壁などに発現することを明らかにした。
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