1997 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタサイクリンおよびトロンボキサンA_2の産生調節機構と新しい生理作用の解明
Project/Area Number |
09670142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
横山 知永子 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室長 (90200914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多江 利久 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室員 (10251026)
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Keywords | プロスタサイクリン / プロスタグランジンI_2 / プロスタサイクリン合成酵素 / プロスタサイクリン欠損マウス / トロンボキサンA_2 / トロンボキサン合成酵素 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
血管壁で主に産生されるプロスタサイクリン(PGI_2)は血小板擬集阻止能、血管弛緩作用を持つのに対して血小板で生成されるトロンボキサン(TX)A_2はこれと全く逆の作用を示す強力な脂質性の生理活性物質であることから、血栓形成や動脈硬化など循環器疾患の発症との関連が注目されている。最近、PGI_2合成酵素およびTX合成酵素が循環器系以外の組織で特異的に発現しており、PGI_2とTXA_2が新たな生理作用を持つ可能性が示唆された。本研究は、これら酵素遺伝子の発現調節機構の解明ならびにノックアウトマウスを解析することにより、循環器系の生理調節機構や循環器病の成因の解明、また、免疫系、生殖系をはじめ循環器系以外におけるPGI_2とTXA_2の新たな生理的役割を明らかにすることを目的とする。本年度は、以下に示す結果を得た。 (1)PGI_2合成酵素ヒト遺伝子のプロモーター領域をウシ大動脈血管内皮細胞に導入し、サイクリックストレインの伸展刺激を与えた場合、PGI_2合成酵素遺伝子の発現が弱いながら促進されることが明かとなった。(2)マウスPGI_2合成酵素遺伝子のうち本酵素活性部位を含むエキソンを欠失させることによりPGI_2欠損マウスを得た。表現型の解析の結果、ホモ接合体において加齢に伴い腎臓に異常を生じることが明らかになった。(3)マウスTX合成酵素遺伝子を単離し、本酵素の活性部位を含むエキソンをneo遺伝子に置き換えたターゲティングベクターを構築し、ノックアウトマウスの作成に成功した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Segurola,R.J.Jr.et al.: "Cyclic strain is a weak inducer of prostacyclin synthase expression in bovine aortic endothelial cells." J.Surh.Res.69. 135-138 (1997)
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[Publications] 波多江利久 他: "プロスタサイクリン生合成-プロスタサイクリン合成酵素の蛋白質構造と遺伝子発現-" 動脈硬化. 24. 449-455 (1997)