1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内田 和彦 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (90211078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
轟 健 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (70114105)
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Keywords | 難治癌 / 遺伝子 / CGH / 予後 / 胆道癌 / 卵巣癌 |
Research Abstract |
難治癌とは、現在の画像診断をもっても早期の診断が難しく、解剖学的な位置から内視鏡による観察ができず、また特異的な腫瘍マーカーもなく、発見時には進行癌として診断される癌である。最も予後の悪い固形癌としては、胆道癌、膵臓癌、卵巣癌がある。本研究の目的は、膵胆道癌と卵巣癌の発生・進展(浸潤・転移)に直接関与する未知遺伝子の異常を明らかにし、その情報をもとに早期診断法を確立することである。本年度は、胆道癌、卵巣癌、さらに小児悪性腫瘍の一つである神経芽腫を用い、CGH法を用いて、染色体上の遺伝子欠失部位と増幅部位を同定し、薬剤耐性との関連も含め予後との相関を解析し、以下の結果を得た。 1)胆道癌 胆嚢がんを中心に30例解析した。高頻度(50%以上)に検出された遺伝子増幅部位は17q、5p、8q、12pであり、遺伝子欠損部位は9p、1p、4qであった。このうち12p遺伝子増幅は、Stage IIIとVIにおいてのみ認められ、予後の悪い症例の指標となりうる可能性が示唆された。また17qの増幅部位はerbB2遺伝子の増幅を伴っていることがFISHの結果から明らかになった(投稿準備中)。 2)卵巣癌 薬剤耐性の臨床データの利用できる卵巣がん21例とタキソ-ルおよびシスプラチンに対する感受性の異なる卵巣がん細胞株について解析した。高頻度(50%以上)に検出された遺伝子増幅部位は3q、8q、17qであり、遺伝子欠損部位は4qであった。シスプラチン耐性症例で特異的に認められた変化は1p、1q、19pの遺伝子増幅と2pと15qの遺伝子欠損であった。タキソ-ル耐性を獲得した細胞株に7qの遺伝子増幅認められ、同領域にあるMDR遺伝子の増幅を伴っていることがサザンブロット法で明らかになった(投稿準備中)。 3)神経芽腫 24例の神経芽腫について予後との関連を含めて遺伝子変化を調べた。その結果、予後の悪い症例に特異的に検出された遺伝子増幅部位は1qであり、それらの症例は死亡例であった。また、1qの増幅部位をコスミドを用いたFISHで確認した。この1qの増幅はMYCNや1p LOHとともに予後因子として役立つ可能性が示唆された(Int.J.Cancer投稿中)。
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[Publications] Hanai,S.et al: "Genomic Organization of Drosophila Poly(ADP-ribose)Polymerase and Distribution of Its mRNA during Development" J.Biol.Chem.(in press). (1998)
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[Publications] Miwa.,M.et al: "Functional Analysis of Poly(ADP-ribose)Polymerase in Drosophila melanogaster" Mol.Cellular.Biochem.(in press). (1998)
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[Publications] Poltronieri,P et al: "PARP cleavage in the apoptotic pathway in S2 cells from Drosophila melanogaster" Biochemistry and Cell Biology. 75. 445-449 (1997)
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[Publications] Fang.J.: "Transmission of human T-cell leukemia viruse Type 1 to mice" J.Virology. in press. (1998)
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[Publications] Maeda,N.et al: "Inhibition of human T-cell leukomia virus type I replication by antisenso env" Biochem.Biophys.Res.Commun.243. 109-112 (1998)
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[Publications] Maeda,N.et al: "Inhibition of syncytium formation by antisense oligonucleotide phosphorothionates conplemently to Tax mRNA of HTLV-1" Leukemia. 11 supp3. 42-44 (1997)